基礎薬学
問1.日本薬局方収載医薬品、酢酸レチノール(ビタミンA酢酸エステル)の正しい化学名はどれか。- (2Z,4E,6Z,8E)-3,7-dimethyl-9-(2, 6,
6-trimethyl-1-cyclohexen-1-yl)-
2,4,6,8-nonatetraen-1-yl acetate -
(2E,4Z,6E,8Z)-3,7-dimethyl-9-(2,6,6-trimethyl-1-cyclohexen-1-yl-
2,4,6,8-nonatetraen-l yl acetate -
(2E,4E,6E,8E)-3,7-dimethyl-9-(2,6,6-trimethyl-1-cyclohexen-1-yl-
2,4,6,8-nonatetraen-1-yl acetate -
(1Z,3E,5Z,7E)-3,7-dimethyl-1-(2,2,6-trimethyl-1-cyclohexen-1-yl)-
1,3,5,7-nonatetraen-9-yl acetate -
(1E,3Z,5E,7Z)-3,7-dimethyl-1-(2,2,6-trimethyl-1-cyclohexen-1-yl-
1,3,5,7-nonatetraen-9-yl acetate -
(1E,3E,5E,7E)-3,7-dimethyl-1-(2,2,6-trimethyl-1-cyclohexen-1-yl)-
1,3,5,7-nonatetraen-9-yl acetate
>
問2.分子式C6H14の化合物には5種類の構造異性体がある。a~dの答の正しい組合せはどれか。
a 4級炭素をもつ化合物の数はいくつか。
b lH-NMRを測定するとき、3種類のシグナルが観測される化合物の数はいくつか。
c lH-NMRを測定するとき、2種類のシグナルが観測される化合物の数はいくつか。
d キラル中心をもつ化合物の数はいくつか。
a b c d
1 1 0 0 0
2 1 1 0 0
3 1 2 1 0
4 2 2 1 1
5 2 2 2 1
問3.Cl, N, Sの酸化物に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a KClO3には酸化作用がある。
b N2Oには全身麻酔作用がある。
c SO2には還元作用がある。
d H2SO4は水和するとき、吸熱する。
a b c d
1 誤 正 誤 正
2 正 正 正 誤
3 誤 誤 正 誤
4 正 誤 誤 正
5 誤 正 正 正
問4.次の実験結果に関する記述イ)、ロ)及び立体配置の表示ハ)について、正しいものの組合せはどれか。
Fischer投影式で示した光学活性体aを還元したところ、2種の異性体 b及び cが1:4の比で得られた。c はL-tartaric acidと同一であった。
イ)b と c の比旋光度は同じである。
ロ)生成物(bとc)の比旋光度はL-tartaric acid(c)の比旋光度の80 %である。
ハ)L-tartaric acid(c)の2つのキラル炭素の立体配置のR、S 表示。
イ ロ ハ
1 誤 誤 2S,3S
2 正 正 2R,3S
3 誤 正 2R,3R
4 正 誤 2S,3R
5 正 誤 2R,3R
問5.化学結合に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a 塩化水素の結合は極性が高い共有結合である。
b エチレンの二重結合の1つは共有結合であり、もう1つはイオン結合である。
c フッ化リチウムの結合は共有結合である。
d アンモニアの結合は共有結合である。
1(a、b) 2(a、c) 3(a、d)
4(b、c) 5(b、d) 6(c、d)
問6.非共有電子対と塩基性に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a アセトニトリルは非共有電子対がp軌道に収容され、塩基性はない。
b ピロールは非共有電子対がsp混成軌道に収容され、塩基性はない。
c ピリジンは非共有電子対がsp2混成軌道に収容され、弱い塩基性を示す。
d エチルアミンは非共有電子対がsp3混成軌道に収容され、強い塩基性を示す。
1(a、b) 2(a、c) 3(b、c) 4(b、d) 5(c、d)
問7.オレフィンへの付加反応 a~dで、生成物の構造式の正誤について、正しい組合せはどれか。
a b c d
1 正 誤 誤 誤
2 誤 正 正 正
3 正 誤 正 正
4 正 正 正 誤
5 誤 正 誤 誤
問8.次の試薬 a~eをアルデヒドと適切な条件下で反応させたとき、試薬 a~eと生成物ア~オとの正しい組合せはどれか。
a CH3OH b H2O c NH2OH d NH3 e HCN
ア cyanohydrin イ oxime ウ acetal エ imine オ hydrate
a b c d e
1 ウ エ イ ア オ
2 ウ オ イ エ ア
3 オ ウ エ イ ア
4 ア ウ オ エ イ
5 ウ オ エ ア イ
問9.化合物Aのニトロ化を行った時、予想される主生成物を1~5の中から選べ。
問10.次の7種の一置換ベンゼンの反応に関する記述 a~dの正誤について、正しい組合せはどれか。ただし、phenyl 基はPhで表す。 a PhNO2は還元によりPhNH2に変換され、ジアゾニウム塩を経てPhOHへ導くことができる。
b PhBrからPhCOOHへの変換は、Grignard 試薬へ導いた後、二酸化炭素と反させて行う。
c PhCH3からPhCOOHへの変換は酸化反応であり、PhCNからPhCOOHへの変換は加水分解反応である。
d PhNH2は、冷時生成されるジアゾニウム塩を経てPhBrへ誘導することができるが、PhCNへ変換することはできない。
a b c d
1 正 誤 誤 誤
2 正 正 誤 正
3 誤 正 誤 正
4 正 正 正 誤
5 誤 誤 正 正
問11.次の a~eの反応によって、新たに生成する官能基の正しい組合せはどれか。
a anilineをbenzoyl chlorideと塩基存在下で反応させた。
b sodium ethoxideをethyl iodideと無水条件下で反応させた。
c acetanilideを希硫酸と加熱し、その後アルカリ性とした。
d benzoic acidを過剰のethanolと少量の濃硫酸存在下で加熱した。
e cyclohexanolを硫酸酸性下でクロム酸と反応させた。
a b c d e 1 amine alcohol amide carboxylic acid aldehyde 2 amide alcohol amine ether ketone 3 amide ether amine ester ketone 4 carboxylic acid ether amide ester aldehyde 5 amine alcohol amide ether ketone
>
問12.カルボン酸及びエステルに関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a サリチル酸メチルとアセチルサリチル酸は両方ともサリチル酸のエステルである。
b エステルのアルカリによる加水分解は、触媒反応なので、加えるアルカリの量は触媒量で十分である。
c カルボン酸はジアゾメタンで容易にメチルエステルになる。
d CDCl3を溶媒として1H-NMRスペクトルを測定するとき、一般にカルボキシル基のプロトンのシグナルは大きな遮蔽効果のため、他のシグナルより高磁場側に観測される。
a b c d
1 誤 正 正 誤
2 正 正 誤 誤
3 正 誤 誤 正
4 誤 誤 正 正
5 正 誤 正 誤
問13.次のアニリン及びその誘導体について、塩基性の強さの順番の正しい組合せはどれか。 1 b > d > a > c
2 d > c > b > a
3 c > b > a > d
4 d > a > b > c
5 a > b > c > d
>
問14.屈折率、旋光度及び円二色性(CD)に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 屈折率は一定温度、一定圧力、一定波長の下では物質に固有の値である。
b 旋光度は光学活性物質の純度試験や定量に利用される。
c 旋光度は測定波長により変化する。
d CDスペクトルから光学活性物質の絶対配置に関する情報が得られる。
a b c d
1 誤 誤 正 誤
2 正 正 正 正
3 正 正 誤 誤
4 正 誤 正 誤
5 誤 正 誤 正
問15.関連のある2種類の化合物の沸点に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a CH3CH2OHが異性体のCH3OCH3よりも沸点が高いのは水素結合に起因する。
b CH3(CH2)3CH3 が異性体の(CH3)4C よりも沸点が高いのはファンデルワールス力に起因する。
c CH3COOH が同程度の分子量をもつCH3CH2CH2OH よりも沸点が高いのは水素結合による二量体形成に起因する。
d H20 がH2S よりも沸点が高いのはファンデルワールスカに起因する。
a b c d
1 正 正 正 誤
2 正 正 誤 正
3 誤 正 誤 正
4 正 誤 正 正
5 誤 誤 正 誤
問16.水の性質に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 過冷却の状態にある水が同温度の氷へ相変化するとき、化学ポテンシャルは低下する。
b 沸点で水が気化するとき、水1モルあたりのエントロピーは増大する(ΔS > 0)が、エンタルピーは低下する(ΔH < 0)。
c 0 ℃において平衡にある氷と水の屈折率は等しい。
d 液相中の水分子は、温度上昇とともにH3O+とOH-とに電離しやすくなる。
a b c d
1 正 誤 誤 正
2 誤 正 正 正
3 正 正 誤 誤
4 誤 正 誤 誤
5 誤 誤 正 誤
問17.下の図は水ーフェノール2成分系の相互溶解度曲線である。
図中のA、Bは、図に示されている温度と組成で表される溶液を意味する。次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 相平衡にあるAとBの水含量を比較すると、Aの方が大きい。
b 温度が66.4 ℃を越えると溶液は直ちに沸騰する。
c 水とフェノールを質量比1:1で混合し、40 ℃で激しく振り混ぜると系全体は直ちに透明な溶液となる。
d フェノールの化学ポテンシャルはAとBで等しい。
e Aの水蒸気分圧は40 ℃の純水の蒸気圧より高い。
a b c d e
1 正 正 正 誤 正
2 誤 正 誤 誤 正
3 正 誤 正 誤 誤
4 正 誤 誤 正 誤
5 誤 誤 正 正 誤
問18. 0.9 w/v % ブドウ糖水溶液と0.9 w/v %食塩水に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a ブドウ糖水溶液は旋光性を示す。
b ブドウ糖水溶液はコロイド溶液である。
c 食塩水は強電解質の水溶液である。
d 食塩水の方がブドウ糖水溶液よりも凝固点降下度は小さい。
e 両水溶液ともに等張溶液である。
a b c d e
1 正 正 正 誤 正
2 正 誤 誤 正 正
3 正 誤 正 誤 誤
4 誤 正 誤 正 誤
5 誤 誤 正 正 誤
問19.100 mLのメスフラスコに1.0 mol/L の酢酸水溶液10.0 mL 及び1.0 mol/L の水酸化ナトリウム水溶液5.0 mLを加えて、蒸留水で標線まで合わせた。酢酸の酸解離定数をKaとするとき、この混合液に関する次の等式の正誤について、正しい組合せはどれか。 a b c d
1 誤 正 誤 誤
2 正 誤 正 正
3 誤 誤 正 誤
4 正 正 誤 誤
5 誤 正 正 正
問20.図は、電離する基を持たないある有機化合物の、温度一定の水溶液中における加水分解反応の速度定数k0とpHとの関係を示している。次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a この加水分解反応はいずれのpHにおいても2次反応である。
b 緩衝液の種類によって、同一pHであってもk0が変化する可能性がある。
c k0が0.036 hr-1のとき、単位をs-1に検算すれば1.0×10-5 s-1となる。
d この図のデータから加水分解反応の活性化エネルギーを求めることができる。
e この化合物の半減期はpH 6付近において最も短い。
a b c d e
1 誤 正 正 誤 誤
2 誤 正 誤 正 正
3 正 誤 正 誤 誤
4 正 誤 誤 正 正
5 誤 誤 正 正 誤
問21.化学反応に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 反応物AとBが生成物CとDになるとき、その反応には必ず遷移状態が存在する。
b 可逆反応においては、正反応と逆反応の活性化エネルギーは常に等しい。
c 活性化エネルギーが大きいと、その化学反応は吸熱反応となる。
d 触媒の添加で活性化エネルギーが変化するのは、素反応が異なるためである。
a b c d
1 正 誤 正 誤
2 正 誤 誤 正
3 誤 正 誤 誤
4 誤 正 正 正
5 誤 誤 正 誤
問22.放射性同位元素に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 123I、125I、131Iを比較すると、原子核を構成する陽子の数は同じであるが、原子核内の中性子の数が異なる。
b 123Iは甲状腺の機能診断に用いられることがある。
c 99mTcが99Tcに核異性体転移(IT)するとき、γ線を放射する。
d 99mTcのような短寿命核種を製造する方法にミルキングという方法がある。
e 多量の14C- 標識化合物を診断薬として人体に投与しても、直ちに体外へ排出されるので、放射線障害は無視できる。
a b c d e
1 誤 誤 正 誤 誤
2 誤 正 誤 正 正
3 正 誤 誤 正 誤
4 正 正 誤 誤 正
5 正 正 正 正 誤
問23.放射線と物質との相互作用に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a α線はβ-線やγ線に比べて飛程が短い。
b β-線は物質と相互作用すると、光電効果によりエネルギーを失う。
c γ線による一次電離はα線やβ-線による電離に比べて小さい。
d β+線は物質と相互作用して消滅し、その際互いに反対方向に向かう2本のγ線が放射される。
a b c d
1 正 誤 正 正
2 誤 正 正 誤
3 正 誤 誤 誤
4 誤 正 誤 正
5 正 正 誤 正
問24.下の図A~Cは、アルコール ア~エのいずれかを十分に乾燥した重ジメチルスルホキシド溶液として測定した1H-NMRスペクトル(60 MHz)である。スペクトルとアルコールの正しい組合せはどれか。
ア CH3CH2OH イ CH3CH2CH2OH
ウ (CH3)2CHOH エ (CH3)3COH
A B C
1 ア イ ウ
2 ウ エ イ
3 イ ウ エ
4 ア ウ イ
5 エ ア ウ
6 エ イ ア
問25.次の図は日本薬局方医薬品の赤外吸収スペクトルである。該当する医薬品との正しい組合せはどれか。ただし、試料はいずれも臭化カリウム錠剤法により調製した。
ア イ ウ エ
1 a b c d
2 a c d b
3 b c a d
4 c d b a
5 d a b c
問26.蛍光分析法に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 蛍光スペクトルは、一定波長の励起光を試料溶液に照射して生じる放射光(発光)について、横軸に波長、縦軸に強度をとって表される。
b 蛍光の波長は通常励起光の波長より長い。
c 蛍光強度は溶液の濃度が十分に小さいとき、モル吸光係数に反比例する。
d 蛍光強度は、通常測定温度が低いほど大きくなる。
a b c d
1 正 誤 正 誤
2 誤 正 正 誤
3 誤 誤 誤 正
4 正 正 誤 正
5 誤 誤 正 正
問27.日本薬局方一般試験法液体クロマトグラフ法において、理論段数N及び分離度Rsは次式で示される。
tR:物質の保持時間
W0.5h:ピーク高さの中点におけるピーク幅。
ただし、tR、W0.5hは同じ単位を用いる。
tR1、tR2:分離度測定に用いる二つの物質の保持時間ただし、tR1 < tR2
W0.5 h1、W0.5 h2:それぞれのピークの高さの中点におけるピーク幅。
ただし、tR1、tR2、W0.5 h1、W0.5 h2は同じ単位を用いる。
次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a ピーク高さと保持時間が同じなら、ピークが鋭いほど理論段数は大きい。
b ピーク高さの中点におけるピーク幅が同じなら、保持時間が短いほど理論段数は大きい。
c 2つの物質の保持時間が同一であるなら、分離度は0(ゼロ)である。
d 2つの物質の保持時間の差が同一であるなら、2つの物質のピークが鋭いほど分離度は大きい。
a b c d
1 正 誤 正 正
2 誤 正 誤 誤
3 正 正 正 誤
4 誤 誤 誤 正
5 正 正 誤 正
問28.0.10 mol/L アンモニア水10.0 mol/Lを0.10 mol/L 塩酸で滴定するとき、予測される滴定曲線と適切な指示薬との正しい組合せは1~6のどれか。ただし、アンモニアの塩基解離定数 Kb = 1.78×10-5、水のイオン積 Kw = 1.00×10-14とする。
問29.次の記述は、日本薬局方塩酸フェニレフリンの定量法に関するものである。
a~dの正誤について、正しい組合せはどれか。 本品を乾燥し、その約0.1 gを精密に量り、ヨウ素瓶に入れ、水40 mLに溶かし、0.05 mol/L 臭素液50 mLを正確に加える。更に塩酸 5 mLを加えて直ちに密栓し、振り混ぜた後、15分間放置する。次にヨウ化カリウム試液 10 mLを注意して加え、直ちに密栓してよく振り混ぜた後、5分間放置し、0.1 mol/Lチオ硫酸ナトリウム液で滴定する(指示薬:デンプン試液1 mL)。同様の方法で空試験を行う。
a ヨウ化カリウム試液を加えるのは、ヨウ素を遊離させるためである。
b 逆滴定なので、空試験の方がチオ硫酸ナトリウム液の滴定量は多くなる。
c 本品1モルに対し、3モルの臭素が消費される。
d 0.05 mol/L の臭素液1 mLは塩酸フェニレフリンの6.789 mgに相当する。
a b c d
1 誤 誤 正 誤
2 誤 正 誤 正
3 正 誤 正 正
4 正 正 正 誤
5 正 誤 誤 正
問30.次の記述は、日本薬局方L-イソロイシンの確認試験に関するものである。この試験で発生するガスは次のどれか。
「本品 0.3 gに水 10 mLを加え、加温して溶かし、これに希塩酸 10滴及び亜硝酸ナトリウム試液 2 mLを加えるとき、泡だって無色のガスを発生する。」
1 CO2 2 O2 3 NH3 4 N2O 5 N2
問31.次の記述は、日本薬局方エテンザミドの純度試験に関するものである。この試験の対象となっている不純物はどれか。
「本品 0.20 gを薄めたエタノール(2 →3)15 mLに溶かし、希塩化第二鉄試液 2~3滴を加えるとき、液は紫色を呈しない。」
1 サリチルアミド 2 アニソール 3 エトキシアニリン
4 べンズアミド 5 アセトアニリド
問32.分析機器を用いる測定時の基準に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 紫外可視分光光度計の波長目盛の校正には、規定された濃度の二クロム酸カリウム(重クロム酸カリウム)の希硫酸溶液が用いられる。
b 1H-NMRの試料溶液を有機溶媒で調製するとき、基準物質としてテトラメチルシラン(TMS)が用いられる。
c 赤外吸収スペクトルの波数日盛の校正にはポリスチレン膜が用いられる。
d pH計の中性付近の校正にはシュウ酸塩pH標準液が用いられる。
a b c d
1 正 正 誤 誤
2 誤 正 誤 正
3 正 誤 正 正
4 正 誤 誤 正
5 誤 正 正 誤
問33.イムノアッセイに関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a ラジオイムノアッセイ(RIA)は抗原抗体反応を利用して物質を定量する方法であり、標識するために放射性同位元素を用いる。
b RIAでたん白質を定量できるが、ホルモンなどの低分子生体成分は定量できない。
c エンザイムイムノアッセイ(EIA)は、酵素を標識として用いる。
d ELISA(enzyme-1inked immunosorbent assay)では、ハプテン、抗原あるいは抗体を不溶化した固相が用いられる。
a b c d
1 正 正 正 誤
2 誤 正 正 正
3 正 誤 誤 誤
4 正 正 誤 正
5 正 誤 正 正
問34.使用にあたって注意が必要な生薬に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 「カンゾウ」は矯味薬として、また多くの繁用漢方処方用薬として用いられるが、適量で偽アルドステロン症が起こることがある。
b 「マオウ」は気管支ぜん息薬や鎮咳去痰薬として、また葛根湯などの漢方処方用薬として用いられるが、不眠、心悸亢進(高進)や血圧上昇を生じることがある。
c 「ダイオウ」は緩下薬として、また大黄甘草湯などの漢方処方用薬として用いられるが、適量で強い下痢、腹痛や骨盤内臓器の充血を生じることがある。
a b c
1 正 正 正
2 誤 誤 正
3 誤 誤 誤
4 正 誤 誤
5 誤 正 誤
問35.次の生薬とその用途の正誤について、正しい組合せはどれか。
a セネガ、オンジ、キキョウ --------------- 去痰薬
b ゲンチアナ、リュウタン、センブリ -------- 苦味健胃薬
c トウヒ、チンピ、キジツ ----------------- 制吐薬
d ケイヒ、ウイキョウ、チョウジ ------------ 芳香性健胃薬
a b c d
1 正 誤 正 正
2 誤 正 正 誤
3 正 正 誤 正
4 誤 誤 誤 正
5 正 誤 誤 誤
問36.ハッカ油に含まれる化合物の平面構造式と立体異性体2種のコンホメーション(立体配座)を下記に示した。
この化合物に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a この化合物はカンフルであり、AとA′はジアステレオマーの関係にある。
b この化合物はメントールであり、AとA′は鏡像異性体(エナンチオマー)の関係にある。
c この化合物はメントールであり、AとA′はジアステレオマーの関係にある。
d この化合物はピネンであり、AとA′は鏡像異性体(エナンチオマー)の関係にある。
e この化合物には不斉炭素原子(キラル中心)が2個存在する。
f この化合物には不斉炭素原子(キラル中心)が3個存在する。
1(a、e) 2(a、f) 3(b、e)
4(b、f) 5(c、e) 6(d、f)
問37.次の記述は、天然物由来医薬品の原料生薬の成分とその生合成に関するものである。正しいものの組合せはどれか。
a モルヒネはアへンの成分で、イソプレノイド経路(メバロン酸経路)により生合成される。
b ジゴキシンはジギタリスの成分で、イソプレノイド経路(メバロン酸経路)により生合成されるジゴキシゲニンの配糖体である。
c スコポラミンはセンナの成分で、酢酸-マロン酸経路により生合成される。
d ベルべリンはオウバクの成分で、芳香族アミノ酸を経由して生合成される。
1(a、b) 2(a、d) 3(b、c) 4(b、d) 5(c、d)
問38.次の抗悪性腫瘍薬のうち、キョウチクトウ科植物ニチニチソウ(Catharanthus roseus G. Don)由来のものはどれか。
1 アクチノマイシンD 2 塩酸ドキソルビシン
3 硫酸ビンプラスチン 4 硫酸ブレオマイシン 5 マイトマイシンC
問39.単糖類に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a アルドースには還元性があるが、ケトースにはない。
b フルクトース(果糖)は六炭糖ケトースである。
c 還元糖の水溶液にフェーリング試液を加えると、酸化銀の赤色沈殿が生じる。
d α-グルコースとβ-グルコースは互いに鏡像異性体の関係にある。
a b c d
1 正 正 誤 正
2 誤 正 誤 誤
3 誤 誤 正 正
4 正 誤 誤 正
5 誤 誤 正 誤
問40.次の脂質a~dに関する記述ア~エについて、正しいものの組合せはどれか。
ただしRl、R2、R3は長鎖アルキル基である。
ア 生体内の代表的なエネルギー貯蔵物質である。
イ 主要な生体膜成分である。
ウ 血小板活性化作用をもつ。
エ 細胞内情報伝達物質である。
a b c d
1 ア イ エ ウ
2 イ ウ エ ア
3 ウ イ ア エ
4 ア エ イ ウ
5 イ ウ ア エ
問41.たん白質に関連する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a たん白質を構成するアミノ酸のうち、グリシンは光学異性体をもたない。
b たん白質の 一次構造を構成している結合は、水素結合である。
c たん白質のジスルフィド結合は、メチオニン残基の-SHからできる。
d たん白質の窒素代謝物である尿素は、おもに腎臓でつくられる。
a b c d
1 誤 誤 正 正
2 正 誤 正 正
3 正 正 誤 正
4 誤 正 誤 正
5 正 誤 誤 誤
問42.ビタミンに関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a ビタミンB12の生体内における活性型にはメチルコバラミンがあり、メチル基運搬体として働く。
b ビタミンB6の生体内における活性型はチアミンピロリン酸であり、ピルビン酸の酸化的脱炭酸反応に関係している。
c ビタミンB1の生体内における活性型はピリドキサールリン酸であり、アミノ酸の代謝に関係している。
d 葉酸の生体内における活性型はCoAであり、メチル基転移反応に関係している。
a b c d
1 正 正 正 誤
2 正 誤 誤 誤
3 誤 誤 誤 正
4 正 誤 正 正
5 誤 正 誤 誤
問43.糖質の代謝に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a D-glucoseが解糖系により代謝されるとき、中間体としてリン酸化体を経由する。
b 解糖系で生成したpyruvic acid に pyruvate carboxylase が作用すると、 oxalacetic acid になる。
c 解糖系に関与する酵素群は mitochondria に局在している。
d glycogen に glycogen phosphorylase が作用すると、glucose l- phosphate が生成する。
e lactose にβ-galactosidase が作用すると、2分子の D-galactose が生成する。
a b c d e
1 正 誤 誤 正 正
2 誤 正 正 誤 正
3 正 正 誤 正 誤
4 誤 誤 正 正 正
5 正 正 正 誤 誤
問44.次の内因性物質の生合成反応とその反応に関与する酵素の正しい組合せはどれか。
a b c d e
a ノルエピネフリンからエピネフリン ----- フェニルエタノールアミン N-メチル基転移酵素 b ATPから3',5'- サイクリックAMP(cAMP) ----- ホスホジエステラーゼ c アラキドン酸からプロスタグランジンG2 ----- シクロオキシゲナーゼ d アンギオテンシンIからアンギオテンシンII ----- アンギオテンシン変換酵素 e 5-ヒドロキシトリプトファンからセロトニン ----- L- 芳香族アミノ酸脱炭酸酵素
1 誤 正 正 誤 誤
2 正 誤 正 正 正
3 正 正 誤 正 誤
4 誤 正 正 誤 正
5 正 誤 誤 正 誤
問45.次の病気と、それに関連する生化学的あるいは免疫学的変化の正誤について、正しい組合せはどれか。
a フェニルケトン尿症 -------------- フェニルアラニン蓄積
b アルツハイマー病 ---------------- 血液凝固因子欠乏
c 後天性免疫不全症候群(AIDS)------- 細胞性免疫不全
d 大腸がん ----------------------- がん遺伝子及びがん抑制遺伝子の変異
e 血友病 ------------------------- アミロイドβたん白質蓄積
a b c d e
1 正 正 正 誤 誤
2 誤 正 正 誤 正
3 正 誤 誤 正 正
4 誤 正 誤 正 正
5 正 誤 正 正 誤
問46.次の記述は膜電位に関するものである。【 】中に入れるべき字句の正しい組合せはどれか。
骨格筋細胞は細胞膜を隔てて、内側が外側より負に荷電しており、通常は膜内外でマイナス数十ミリボルト程度の電位差がある。Na+,K+-ATPaseは、ATPの加水分解エネルギーを利用して、Na+3個を細胞外に排出し、同時にK+【 a 】個を細胞内に取り込むことでこの電位差維持に寄与している。ところが、細胞膜にある【 b 】チャネルが開くと、電位差が減少し脱分極する。一方、【 c 】チャネルが開くと電位差が増加し過分極になる。
a b c
1 1 Na+ K+
2 1 K+ Na+
3 2 Na+ Cl-
4 2 K+ Na+
5 3 Na+ K+
問47.下図は脳の正中矢状断の概略図である。矢印で示された各部位の記号a~eに対応する名称の正しい組合せはどれか。
中脳 延髄 視床 橋 下垂体
1 a e b c d
2 c e a d b
3 c d e a b
4 b a c d e
5 d c a b e
問48.神経系の形態と機能に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a 痛覚の一次ニューロンは、末梢器官から脊髄前柱に入り、シナプスを形成する。
b 視床下部には、自律神経の高位中枢がある。
c 迷走神経を切断すると、胃のぜん動運動は亢進(高進)する。
d 副交感神経系の神経節は、 一般に効果器官の近くに存在する。
1(a、b) 2 (a、c) 3 (a、d) 4 (b、c) 5 (b、d)
問49.呼吸器の構造と機能に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 肺は左右対称の臓器でそれぞれ3葉ずつからなる。
b 肺胞表面は界面活性物質で覆われているために表面張力が減少しており、肺胞の膨張のためのエネルギー消費を少なくする効果がある。
c 血漿中の炭酸水素イオンは、肺中で炭酸デヒドラターゼ(炭酸脱水酵素)により速やかに二酸化炭素となり呼気中に排泄される。
d 肺への血液は大動脈から分枝した肺動脈から供給される。
e 肺の膨張、収縮は横隔膜などの骨格筋の収縮、弛緩によって受動的に起こる。
a b c d e
1 正 誤 正 誤 誤
2 正 正 誤 正 誤
3 誤 正 正 誤 正
4 誤 誤 正 正 正
5 正 誤 誤 誤 正
問50.腎機能に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a 糸球体で限外ろ過された原尿のうち、およそ99 %の水は尿として排泄される。
b へンレ係蹄上行脚ではNa+とCl-の再吸収に伴い、水も大量に再吸収される。
c アルドステロンは副腎皮質から分泌され、遠位尿細管におけるNa+の再吸収とK+分泌を促進する。
d バソプレシンは、集合管における水の再吸収を促進する。
1(a、b) 2 (a、c) 3 (b、c) 4 (b、d) 5 (c、d)
問51.ウイルス感染に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a ウイルス感染細胞が生産、分泌するインターフェロンは抗ウイルス作用を有する。
b ウイルス中和抗体価は、感染ウイルスに対する免疫状態を知る指標となることがある。
c C型肝炎ウイルス感染は肝硬変や肝臓がんの原因となる。
d 後天性免疫不全症候群(AIDS)は、レトロウイルスの感染によって起きる。
a b c d
1 正 誤 正 正
2 正 正 正 誤
3 誤 正 正 正
4 正 正 誤 正
5 正 正 正 正
問52.微生物に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a Bacillus 属やClostrium 属細菌は、乾燥や高温に抵抗性の芽胞を形成する。
b 結核菌は、抗酸菌の1種でミコール酸という特有の高級脂肪酸を含有する。
c マイコプラズマは細菌に属し、細胞壁をもつ。
d クラミジア(Chlamydia)は細胞寄生性細菌であり、無細胞系では増殖でき ない。
e ウイルスの細胞内侵入の第一段階である吸着は、細胞受容体を介さず非特異的である。
a b c d e
1 正 誤 正 誤 誤
2 正 正 誤 正 誤
3 誤 正 正 正 誤
4 誤 正 正 誤 正
5 正 誤 誤 正 正
問53.抗菌薬及び抗ウイルス薬の作用点及び作用機序の正誤について、正しい組合せはどれか。
a b c d e
抗菌薬及び抗ウイルス薬 作用点 作用機序 a バンコマイシン ------ 細胞璧合成 ------ ペプチドグリカン合成の中間体に結合する。 b オフロキサシン ------ RNA合成 ------ RNAポリメラーゼを阻害する。 c サルファ剤 ------ たん白質合成 ------ アミノアシルtRNAに拮抗する。 d エリスロマイシン ------ たん白質合成 ------ リボソームに結合する。 e アシクロビル ------ DNA合成 ------ DNAポリメラーゼを阻害する。
1 正 正 誤 正 誤
2 正 誤 正 誤 正
3 誤 正 誤 正 正
4 正 誤 誤 正 正
5 誤 正 正 誤 誤
>
問54.DNAの複製及び転写に関する次の記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a 原核生物と高等真核生物で、細胞のDNA含有量はほぼ同じである。
b 動物細胞のDNA複製反応は、半保存的に進行する。
c 生物は紫外線によるDNA傷害を修複できない。
d RNAポリメラーゼによる転写反応は、鋳型DNA鎖の3′→5′の方向に進行する。
e ステロイドホルモンは、核受容体に結合して転写を調節する。
a b c d e
1 誤 正 正 誤 正
2 誤 誤 正 正 誤
3 誤 正 誤 正 正
4 正 正 誤 誤 誤
5 正 誤 誤 正 正
問55.遺伝子工学に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a PCR(polymerase chain reaction)法では、プライマー(オリゴヌクレオチド)やDNAポリメラーゼが使われる。
b 一本鎖DNAと一本鎖RNAの間でも、塩基間の相補性があればハイブリッド形成(hybridization)が起こる。
c 特定のプローブ(probe)を用いることにより、感染症の原因菌を同定できる。
d 遺伝子ライブラリー(gene library)は、染色体DNAの全断片をべクター(vector)に結合した組換え体(recombinant)の集合である。
a b c d
1 誤 正 正 正
2 正 誤 正 正
3 正 正 誤 正
4 正 正 正 誤
5 正 正 正 正
問56.ホルモンに関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a エストロゲン(estrogen)は子宮筋のオキシトシンに対する反応性を低める。
b 成長ホルモン(GH)の血中濃度が異常に低いと末端肥大症をおこす。
c セクレチン(secretin)は脳下垂体前葉より分泌され、子宮収縮作用を示す。
d 副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)の産生・分泌は、血中コルチコイドによる負のフィードバック制御を受ける。
e カルシトニン(carcitonin)は骨吸収を抑制し、血漿カルシウムイオン濃度を下げる。
1(a、b) 2(a、c) 3(b、e) 4(c、d) 5(d、e)
問57.サイクリックAMP(cAMP)に関連する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a アデニル酸シクラーゼはcAMPを基質としてATPを産生する酵素である。
b エピネフリンは心臓の細胞内cAMP量を増大させる。
c 単離精製したアデニル酸シクラーゼはエピネフリンによって活性化される。
d cAMPを摘出心臓に潅流すると、心拍数が速やかに、かつ著明に増大する。
e cAMPは肝臓のグリコーゲン分解を促進する。
1(a、c) 2(b、c) 3(b、d) 4(b、e) 5(d、e)
問58.生体防御機構に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a ヘルパーT細胞は、CD8抗原をもっている。
b 抗原が認識される抗体産生機構では、T細胞と抗原提示細胞間の認識にMHC(major histocompatibility complex)が関与する。
c マクロファージは、抗体でオプソニン化された細菌を貪食できる。
d 臓器移植を行うには、HLA(human leukocyte antigen)の適合性を調べることが必要である。
a b c d
1 誤 正 正 正
2 正 誤 誤 正
3 正 正 誤 正
4 正 誤 正 誤
5 誤 正 誤 誤
問59.cytokineに関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a interleukin-1(IL-1)やTNF-α(腫瘍壊死因子)は、発熱などの炎症反応に関与する。
b IL-2に反応したT細胞は、分化、増殖して抗体産生細胞になる。
c erythropoietinは造血作用を有するため、腎性貧血に有効である。
d 骨髄由来の幹細胞を白血球に分化させるcytokineがある。
a b c d
1 誤 正 誤 正
2 正 誤 正 正
3 正 誤 誤 誤
4 誤 正 正 誤
5 正 正 誤 誤
問60.アレルギーに関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a IgEはあらゆる種類のアレルギーに関与する。
b 肥満細胞(マスト細胞)、好塩基球、好酸球はいずれもアレルギーに関与する細胞である。
c ある種のたん白質、糖質、脂質はアレルゲンとなる。
d アナフィラキシーショックは、遅延型アレルギーによって起きる現象である。
a b c d
1 誤 正 誤 正
2 正 誤 正 正
3 誤 正 正 誤
4 正 誤 正 誤
5 正 正 誤 正