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基礎薬学

問1 
次の日本薬局方医薬品a~dのIUPAC規則名について、正しいものの組合せはどれか。

 a (2S, 3R)- 2 - Amino - 3 -methylpentanoic acid×
解:(2S, 3S)- 2 - Amino - 3 -methylpentanoic acid
 
 
 b Ethyl 4 - aminobenzoate
 c (R)-2-Bromo-2-chloro-1,1,1-trifluoroethane×
解:(RS)-2-Bromo-2-chloro-1,1,1-trifluoroethane
  及び鏡像異性体
 d trans-4-(Aminomethyl) cyclohexanecarboxylic acid

問2 
化学結合と混成軌道に関する記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

 a 基底状態の分子軌道では、反結合性軌道には電子が収容されない。
 b 三フッ化ホウ素(BF3)のホウ素原子は、sp2混成軌道をもつ。
 c 炭素-炭素二重結合の炭素間の結合距離は、単結合の場合より長くなる。×
解:炭素-炭素二重結合の炭素間の結合距離は、単結合の場合より短くなる。
 d アンモニアの窒素原子はsp2混成軌道をもち、分子全体はほぼ平面構造である。×
解:アンモニアの窒素原子はsp3混成軌道をもち、分子全体はほぼ平面構造である。


問3 
共鳴構造に関する記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a

CH3CH=CHCH3とCH3CH2CH=CH2は互いに共鳴構造である。×
解:CH3CH=CHCH3とCH3CH2CH=CH2は互いに構造異性体である。

b

は互いに共鳴構造である。

c

は互いに共鳴構造である。

d

は互いに共鳴構造である。×

解:

は互いに共鳴構造ではない。(構造が変化している)

e

は互いに共鳴構造である。×

解:

は互いに共鳴構造ではない。(同じ構造である)


問4 
化合物I~IVに関する記述a~dのうち、正しいものの組合せはどれか。


 a 化合物Iの2つの窒素のうち、より塩基性が強い窒素はアである。×
解:化合物Iの2つの窒素のうち、より塩基性が強い窒素はである。
 b 化合物IIの2つの窒素のうち、より塩基性が強い窒素はアである。
 c 化合物IIIの2つの窒素のうち、より塩基性が強い窒素はアである。
 d 化合物IVの2つの窒素のうち、より塩基性が強い窒素はアである。×
解:化合物IVの2つの窒素のうち、より塩基性が強い窒素はである。


問5 
芳香族化合物に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

 a 4n個のπ電子をもつ平面で環状の共役ポリエンである。×
解:4n+2個のπ電子をもつ平面で環状の共役ポリエンである。
 b 1H NMRスペクトルには、環電流効果が現れる。
 c 求電子剤と付加反応を起こしやすい。×
解:求電子剤と置換反応を起こしやすい。
 d シクロオクタテトラエンは非芳香族化合物である。

問6 
アルケンに関する記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

 a bromoetheneは容易に求核置換反応を受ける。×
解:bromoethene(ハロゲン化ビニル)は求核置換反応を受けにくい。(ハロゲン化アルキルは受けやすい)
 b 1,2-dichloroetheneのcis体はtrans体よりも双極子モーメントが大きい。
 c 3-chloropropenoic acidのtrans体とcis体は、1H NMRスペクトルで区別が可能である。
 d 2-methyl-2-buteneには2種類の幾何異性体が存在する。×
解:2-methyl-2-buteneには幾何異性体を含めて異性体は存在しない
 e 二重結合は結合の弱いσ結合と結合の強いπ結合から成っている×
解:二重結合は結合の強いσ結合と結合の弱いπ結合から成っている


問7 
次の各組は、1-bromobutaneと2種の試薬との求核反応の速さを比較したものである。正しいものの組合せはどれか。

 a (CH3)2N->(CH3)2NH
 b (CH3)3B>(CH3)3N×
解:(CH3)3N>(CH3)3B (求核試薬として働くためには非共有電子対が必要である)
 c H2O>H2S×
解:H2S>H2O
(原子核と非共有電子対とのキョリで考える。キョリが遠いほど求核性が増す)
 d (CH3)2NH>((CH3)2CH)2NH
(同じ第二級アミンだが、立体障害により)


問8 
二重結合への付加反応に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

 a 等モルの1,3-butadieneと臭化水素の反応により得られる生成物のうち、1,4-付加体は1,2-付加体より熱力学的に安定である。
 b maleic acidを四酸化オスミウムで酸化すると、meso-tartaric acidが生成する。○(四酸化オスミウム:cis付加)
 c 1-methylcyclohexeneからヒドロホウ素化、ついでアルカリ性過酸化水素処理により得られる主生成物はcis-2-methylcyclohexanolである。×
解:1-methylcyclohexeneからヒドロホウ素化、ついでアルカリ性過酸化水素処理により得られる主生成物はtrans-2-methylcyclohexanolである。(逆マルコフニコフ則)
 d 1-methylcyclohexeneから酸触媒存在下、水和反応により得られる主生成物はtrans-2-methylcyclohexanolである。×
解:1-methylcyclohexeneから酸触媒存在下、水和反応により得られる主生成物は1-methylcyclohexanolである。(マルコフニコフ則)


問9 
脱離反応に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

 a 酸性条件におけるアルコールの脱水は、第三級アルコールの方が第二級アルコールより起こりやすい。
 b 2-bromobutaneをナトリウムエトキシドで処理すると、Saytzev則に従った2-buteneが主生成物として得られる。
 c 1,2-dibromobutaneをヨウ化ナトリウムで処理すると、2-buteneが主生成物として得られる。×
解:1,2-dibromobutaneをヨウ化ナトリウムで処理すると、1-buteneが主生成物として得られる。
 d cis-1-chloro-2-methylcyclohexaneをナトリウムエトキシドで処理すると、Saytzev則に従った3-methylcyclohexeneが主生成物として得られる。×
解:cis-1-chloro-2-methylcyclohexaneをナトリウムエトキシドで処理すると、Saytzev則に従った1-methylcyclohexeneが主生成物として得られる。


問10 
アルデヒド及びケトンヘの求核付加反応に関する記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

 a プロパノン(アセトン)とヒドロキシルアミンとの反応の速度は、pHの影響を受けない。×
解:プロパノン(アセトン)とヒドロキシルアミンとの反応の速度は、pHの影響を受ける
 b トリクロロアセトアルデヒドは水に溶かすと、主として水和物として存在する。
 c 2,2,6-トリメチルシクロヘキサノンは、HCNと反応して収率よくシアノヒドリンを与える。×
解:2,2,6-トリメチルシクロヘキサノンは、HCNとの反応は起こりにくい
 d 3-ペンタノンはメチルアミンと反応してイミンを与えるが、ジメチルアミンとは反応しない。×
解:3-ペンタノンはメチルアミンと反応してイミンを与え、またジメチルアミンとも反応する


問11 
メトキシル基及びニトロ基による置換基効果に関する次の各組の序列の正誤について、正しい組合せはどれか。

 a ニトロ化の反応性
 b SN1反応の反応性×
解:メトキシ基>無置換基>ニトロ基(カルボカチオンの安定性)
 c 安息香酸誘導体の酸性度(芳香族:R効果)
 d 酢酸誘導体の酸性度(脂肪族:I効果)

問12 
安息香酸誘導体に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

 a 安息香酸エチルとメチルマグネシウムブロミドとの反応では、通常第一級アルコールが生成する。×
解:安息香酸エチルとメチルマグネシウムブロミドとの反応では、通常第級アルコールが生成する。
 b 第一級アミンとの反応性は、安息香酸エチルの方が塩化ベンゾイルより高い。×
解:第一級アミンとの反応性は、安息香酸エチルの方が塩化ベンゾイルより低い
 c 安息香酸エチルの酸触媒加水分解反応について、シリカゲルを固定相とする薄層クロマトグラフ法にて追跡する際、安息香酸のRf値は通常、安息香酸エチルのRf値より小さい。
 d 安息香酸エチルを水素化アルミニウムリチウムにて還元すると、ベンズアルデヒドが主生成物として得られる。×
解:安息香酸エチルを水素化アルミニウムリチウムにて還元すると、ベンジルアルコールが主生成物として得られる。
 e 酸触媒を用いる安息香酸エチルとメタノールの反応は、平衡反応である。

問13 
日本薬局方医薬品アクリノールの成分である2-ethoxy-6,9-diaminoacridineの合成経路において用いられる、最も適した試薬の組合せはどれか。

  

HCl
KMnO4
AlCl3
SnCl4

Cl2
KMnO4
AlCl3
SnCl2

HCl
KMnO4
Al2O3
SnCl2

Cl2
MnO2
Al2O3
SnCl4

HCl
MnO2
Al2O3
SnCl4

Cl2
MnO2
AlCl3
SnCl2

>
問14 
次の記述は、日本薬局方医薬品ニトラゼパムの確認試験の一部である。(1)及び(2)の試験で呈色する物質のうち、正しいものの組合せはどれか。
 (1) 本品0.02 gに希塩酸15 mLを加え、5分間煮沸し、冷後、ろ過する。ろ液は芳香族第一アミンの定性反応を呈する。
 (2) (1)のろ液0.5 mLに水酸化ナトリウム試液を加えて中和し、ニンヒドリン試液2 mLを加えて水浴上で加熱するとき、液は紫色を呈する。



  1(a、d)  2(a、e)  3(b、d)
  4(b、e)  5(c、d)  6(e、f)



問15 
国際単位系(SI)に関する記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

 a 国際単位系SIは基本単位と誘導(組立)単位で構成されている。
 b 力のSI誘導(組立)単位はニュートンNである。SI基本単位を用いるとkg・m・s-2で表せる。
 c 圧力のSI誘導(組立)単位はパスカルPa (N・m-2)であり、1バールbarは106Paである。×
解:圧力のSI誘導(組立)単位はパスカルPa (N・m-2)であり、1バールbarは105Paである。
 d エネルギー、仕事、熱量のSI誘導(組立)単位はジュール J (N・m)である。
 e 電気量、電荷のSI誘導(組立)単位はクーロンCである。電圧、電位のSI誘導(組立)単位はボルトV(J・C-1)である。


問16 
物質の性質に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

 a 非電解質の希薄水溶液の凝固点は、溶質の重量モル濃度に比例して降下する。この比例定数をモル凝固点降下定数とよび、物質固有の定数である。
 b 融解熱、蒸発熱、昇華熱を状態量として取り扱うことができるのは圧力一定の場合で、それぞれ固相→液相、液相→気相、固相→気相への状態変化に伴うエンタルピー変化量に対応している。
 c 融点は、圧力一定のもとでの固相と液相が平衡状態にあるときの温度で、純物質の場合、物質固有の値をとるが、必ずしも凝固点と一致するとは限らない。×
解:融点は、圧力一定のもとでの固相と液相が平衡状態にあるときの温度で、純物質の場合、物質固有の値をとるが、必ず凝固点と一致する
 d ラウール(Raoult)の法則が成立する溶液について、溶媒Aの蒸気圧降下の大きさ・Pが下式で示されるのは、溶質が揮発性の場合に限られる。×  ・P= PoA・XB (PoA:純溶媒Aの蒸気圧、XB:溶質Bのモル分率)
解:ラウール(Raoult)の法則が成立する溶液について、溶媒Aの蒸気圧降下の大きさ・Pが下式で示されるのは、溶質が不揮発性の場合に限られる。

 e H2OがH2Sより沸点が高いのは、酸素原子の方がイオウ原子よりも水素結合形成能が強いことに起因している。


問17 
水溶液中での分子間相互作用に関する記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

 a 疎水性相互作用は、疎水性分子(又は疎水性基)間会合により、それを取りまく水構造が崩壊する結果、エントロピーが増大することに起因する。
 b 水中におけるイオン間の相互作用力は、アルコールなどを添加して溶媒の誘電率が減少すると減少する。×
解:水中におけるイオン間の相互作用力は、アルコールなどを添加して溶媒の誘電率が減少すると増大する。
 c 電荷移動による分子間相互作用は、電子を放出しやすい分子と電子を受け取りやすい分子との間で起こり、会合によってそれぞれの分子自体にはない新しい吸収帯が出現することを特徴とする。
 d 水素結合は、水酸基、アミノ基などの水素原子と酸素原子又は窒素原子との間で起こる結合である。(不適切問題)


問18 
化学反応に伴い熱の発生、吸収が起こる。例えば、標準状態(1 bar, 25 ℃)におけるグルコース生成の熱化学方程式は、次式で表せる。

  6C(s)+6H2(g)+3O2(g) → C6Hl2O6(s)    ・H°= -1,274 kJ・mol-1 (1)

 ・H°は標準状態のエンタルピー変化であり、(s)は固体、(g)は気体状態を示す。次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

 a  ・H°は標準状態の熱量変化を示し、式(1)では1,274 kJ・mol-1の吸熱があることを示す。×
解:・H°は標準状態の熱量変化を示し、式(1)では1,274 kJ・mol-1の発熱があることを示す。
 b グルコース生成反応は、エントロピー駆動の反応である。×
解:グルコース生成反応は、エンタルピー駆動の反応である。
 c 標準状態における1モルの化合物を生成させる反応のエンタルピー変化を標準生成エンタルピー変化という。
 d 式(1)の ・H°は、グルコース(s)、炭素(s)、水素(g)の燃焼熱から求まる。
 e エンタルピーは状態量であるから、反応の経路によらない。すなわち、どんな中間反応が起こってもエンタルピー変化は同じであり、この原理をヘス(Hess)の法則という。


問19 
次の記述の〔 〕に入れるべき数値の正しい組合せはどれか。

 ある弱酸(Ka = 8.0×10-5)の0.20 mol/L水溶液のpHは〔 a 〕であり、この水溶液と0.20 mol/L水酸化ナトリウム水溶液を2:1の割合で混合したときに得られるpHは〔 b 〕となる。ただし、log 2 = 0.30、log 4 = 0.60、log 8 = 0.90とする。

     a    b 
  1 1.7   3.9
  2 1.7   5.4
  3 2.4   4.1
  4 2.4   5.1
  5 3.1   4.7



問20 
図は塩橋を用いたダニエル電池を示す。この電池の酸化還元平衡は次式で表せる。

  Cu2+ + Zn ・ Cu + Zn2+ (1)
 また、Zn電極、Cu電極の標準電極電位(25 ℃) E°はそれぞれ-0.763 V、0.337 Vである。次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
 a 図の左側の電極では還元反応が、右側の電極では酸化反応が起こり、全電池反応は(1)式となる。×
解:図の左側の電極では酸化反応が、右側の電極では還元反応が起こり、全電池反応は(1)式となる。
 b 電池の起電力は、左側の電極を基準とし、還元電位とも呼ばれる。×
解:電池の起電力は、左側の電極を基準とし、酸化電位とも呼ばれる。
 c 起電力は左側の半電池を基準とするので、ダニエル電池の標準起電力E°は1.10 Vである。
 d 塩橋を用いているので、電極電位以外に液間電位差を考慮する必要がある。×
解:塩橋を用いており、電極電位以外に液間電位差を考慮する必要はない


問21 
高分子溶液の性質に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

 a 高分子は、親和性の高い溶媒中では、その広がりが小さくなる。×
解:高分子は、親和性の高い溶媒中では、その広がりが大きくなる。
b 水溶液中での高分子の拡散係数から、球形を近似してその水和半径を見積ることができる。
 c 高分子電解質溶液に塩を添加してイオン強度を増加させると、高分子はより広がった形となり、粘度が増加する。×
解:高分子電解質溶液に塩を添加してイオン強度を増加させると、高分子はより広がった形とならず、溶解しにくい状態になるため粘度が低下する。
 d イオン性高分子は電離基間の静電反発力により水中で広がった形をとり、溶液の粘度は非イオン性高分子と比べて大きい。
 e 両性高分子電解質であるタンパク質は、等電点で一番広がりが小さくなる


問22 
放射線に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

 a Bq(ベクレル)は放射線の吸収線量を表す単位であり、Gy(グレイ)は放射能を表す単位である。×
解:Bq(ベクレル)は放射能を表す単位であり、Gy(グレイ)は放射線の吸収線量を表す単位である。
 b α崩壊は原子核からヘリウム原子核が放出される壊変で、一般にウランやラジウムなどの質量数の大きな原子核で起こる。
 c γ線はX線と同じく電磁波の一種であるが、その波長は一般にX線よりも長い。×
解:γ線はX線と同じく電磁波の一種であるが、その波長は一般にX線よりも短い
 d 放射線による蛍光現象を利用する放射線検出器として、シンチレーション検出器がある。


問23 
次の文章の〔  〕に入る数値の正しい組合せはどれか。

 化合物Aの200 ℃での分解反応の半減期は初濃度が1 mol/Lの時は30分、2 mol/Lの時は15分であった。この分解反応は0次、1次、2次反応のうち〔 a 〕次反応に従って分解し、初濃度が3 mol/Lの場合、化合物Aが90%分解するのに要する時間は〔 b 〕分である。

    a   b 
  1 0  162
  2 1  100
  3 2  90
  4 0  324
  5 1  200
  6 2  180



問24 
質量分析法に関する記述のうち、正しいものはどれか。

 1 化学イオン化法は、生体高分子を非破壊でイオン化する方法である。×
解:化学イオン化(CI)法は、生体高分子測定には不向きである。
 2 タンパク質の分子量測定には、電子衝撃イオン化法が適している。×
解:タンパク質の分子量測定には、電子衝撃イオン化(EI)法は適していない
 3 質量スペクトルの中で強度が一番大きいピークは、分子イオンピークとよばれる。×
解:質量スペクトルの中で強度が一番大きいピークは、基準イオンピークとよばれる。
 4 m/z値が1000.0と1000.1のピークが明瞭に区別できる場合の分解能は、10000である。
 5 常圧でイオン化できる方法は、未だ開発されていない。×
解:常圧でイオン化できる方法は、エレクトロスプレーイオン化。(ESI)法等がある



問25 
次の日本薬局方医薬品エチニルエストラジオール、デキサメタゾン、スピロノラクトンの構造式及び1H NMRスペクトル(300 MHz)のうち、エチニルエストラジオールの構造式と1H NMRスペクトルの正しい組合せはどれか。


  構造式 1H NMRスペクトル
 1 a     イ
 2 a     ハ
 3 b     ロ
 4 b     ハ
 5 c     イ
 6 c     ロ


>
問26 
下の図は分子式C5H10O で表される化合物A~Cのうち、いずれかの質量スペクトル(EI-MS)である。この化合物のCCl4溶液のIRスペクトルは、1720 cm-1に非常に強い吸収を示す。次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

 a 横軸の目盛m/zのzは、イオンの電荷数である。
 b 縦軸は、分子イオンピークに対する相対強度(%)を示す。×
解:縦軸は、基準イオンピークに対する相対強度(%)を示す。
 c m/z 58は、分子イオンからエチレンがMcLafferty転位により脱離したフラグメントイオンピークであると推定される
 d m/z 43は、メチルケトンに由来するフラグメントイオンピークであると推定される。
 e この化合物の構造は、Aと推定される



問27 
日本薬局方記載のスペクトル法に関する記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

 a 赤外線吸収スペクトルは一般に波数4000 cm-1~400 cm-1の範囲で測定され、その波長は2.5μm~25μmに対応する。
 b 有機化合物の水酸基の伸縮振動による赤外線吸収帯は、水素結合すると高波数側にシフトする。×
解:有機化合物の水酸基の伸縮振動による赤外線吸収帯は、水素結合すると波数側にシフトする。
 c L-トリプトファンの紫外線吸収スペクトルはインドール環σ電子の基底状態から励起状態への電子遷移を、蛍光スペクトルは励起されたσ電子の基底状態への遷移状態を観測している。×
解:L-トリプトファンの紫外線吸収スペクトルはインドール環π電子の基底状態から励起状態への電子遷移を、蛍光スペクトルは励起されたπ電子の基底状態への遷移状態を観測している。
 d L-トリプトファンの比旋光度の決定にはその分子量が必要となる。×
解:L-トリプトファンの比旋光度の決定には必ずしもその分子量が必要ではない
 e L-トリプトファン(分子量204.23、〔α〕20D:-30.0°~-33.0°)0.25 gを正確に量り、水20 mLを加え、加温して溶かし、冷後、水を加えて正確に25 mLとし、層長100 mmのセルを用いて測定すると、旋光度は-30.0°~-33.0°になる。


問28 
液体クロマトグラフ法に関する記述のうち、正しいものはどれか。
 
 1 同一の分離条件で、二つの化合物の保持時間が同じ場合、両者の分離係数は0である。×
解:同一の分離条件で、二つの化合物の保持時間が同じ場合、両者の分離係数はである。
 2 同一の分離条件で、二つの化合物の保持時間が同じ場合、両者の分離度は1である。×
解:同一の分離条件で、二つの化合物の保持時間が同じ場合、両者の分離度はである。
 3 二つのピークをほぼ完全に分離させるには、両者の分離度は1.5以上必要である。
 4 テーリングしたピークのシンメトリー係数は、1より小さい。×
解:テーリングしたピークのシンメトリー係数は、1より大きい。
 5 リーディングしたピークのシンメトリー係数は、1より大きい。×
解:リーディングしたピークのシンメトリー係数は、1より小さい


問29 
電気泳動法に関する記述のうち、正しいものはどれか。

 1 タンパク質のSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動では、タンパク質はその塩基性残基の数に等しいSDS分子がイオン結合した状態で泳動される。×
解:タンパク質のSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動では、タンパク質の種類とは無関係に一定の電荷-質量比で複合体を形成した状態で泳動される。
 2 アガロースゲル電気泳動でDNAが分子サイズによって分離できるのは、DNAごとに単位電荷当りの質量が異なるからである。×
解:アガロースゲル電気泳動でDNAが分子サイズによって分離できるのは、DNAごとに単位電荷当りの質量が分子量によらず同じであるためである。
 3 フューズドシリカ(fused silica)製の毛細管にpH 7の電解質溶液を満たしてキャピラリー電気泳動を行った場合、正極から負極に向かう電気浸透流が発生する。
 4 フューズドシリカ製の毛細管を用いた場合、電気浸透流の大きさは電解質溶液のpHに依存しない。×
解:フューズドシリカ製の毛細管を用いた場合、電気浸透流の大きさは電解質溶液のpHに依存する
 5 電気浸透流はキャピラリー電気泳動に特有のものであり、ろ紙電気泳動では発生しない。×
解:電気浸透流はキャピラリー電気泳動に特有のものではなく、ろ紙電気泳動でも発生する



問30 
日本薬局方における生理食塩液の定量法に関する記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
「本品20 mLを正確に量り、水30 mLを加え、強く振り混ぜながら0.1 mol/L硝酸銀液で滴定する(指示薬:フルオレセインナトリウム試液3滴)。」

 a 原理的には、指示薬としてクロム酸カリウム試液を用いる滴定も使用可能である。
 b フルオレセインナトリウムのような吸着指示薬を用いる滴定法は、Volhard法とよばれる。×
解:フルオレセインナトリウムのような吸着指示薬を用いる滴定法は、Fajans法とよばれる。
 c フルオレセインは弱い有機酸であるが、滴定時には陰イオン型として存在する。
 d フルオレセインが滴定終点で呈する色は、緑色である。×
解:フルオレセインが滴定終点で呈する色は、紅色である。


問31 
下図は、融点を有する化合物の水和物結晶について、TG(熱質量測定法)及びDSC(示差走査熱量測定法)による熱分析の結果を示している。これに関する記述の正誤について、正しい組合せはどれか。


 a 温度aは、化合物水和物の脱水温度を示している。
 b 温度bに対応するDSCピーク面積は、化合物の融解エンタルピーを示している。
 c 温度cは、化合物の分解し始める温度を示している。
 d 熱分析法は、化合物の結晶多形と溶媒和結晶の区別に有効である。
 e 熱分析法では、通例基準物質として熱分析用α-アルミナが用いられるが、これは通常の測定温度範囲内で熱変化しないことによる。


問32 
原子吸光光度法に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

 a 原子吸光光度法は、気化した原子の励起状態から基底状態への遷移に伴う光を測定する方法である。×
解:原子吸光光度法は、特有波長の光をあて原子の基底状態から励起状態への遷移する現象を利用し測定する方法である。
 b 原子吸光光度法で観測する波長は、紫外可視光(200~800 nm)である。
 c 原子吸光光度法による定量は、紫外可視吸光光度法と同様にランベルトーベール(Lambert-Beer)の法則に基づく。
 d 原子吸光光度法では、被検元素の試料中での存在状態に関する情報を、抽出法やクロマトグラフ法などの分離手段と併用することなしに容易に得ることができる。×
解:原子吸光光度法では、被検元素の試料中での存在状態に関する情報を容易に得ることができない
 e 光源部には中空陰極ランプ、放電ランプなどが用いられる。


問33 
イムノアッセイに関する記述のうち、正しいものはどれか。

 1 タンパク質のエピトープは、アミノ酸10~15残基程度である。×
解:タンパク質のエピトープは、アミノ酸56残基程度である。
 2 抗体に用いられるのは、通常IgEである。×
解:抗体に用いられるのは、通常IgGである。
 3 サンドイッチ法は競合法の一種である。×
解:サンドイッチ法は競合法の一種である。
 4 ラジオイムノアッセイに用いられる放射性核種のうち、一般に125Iは3Hや14Cより検出感度が高い。
 5 エンザイムイムノアッセイの標識酵素には、ペルオキシダーゼ及びグルコースオキシダーゼが主に用いられる×
解:エンザイムイムノアッセイの標識酵素には、ペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、グルコース-6-リン酸脱水素酵素、β-ガラクトシダーゼなどが主に用いられる



問34 
物理的診断法に関する記述のうち、正しいものはどれか。

 1 超音波診断法に用いられる超音波の周波数は、通常、数kHzである。×
解:超音波診断法に用いられる超音波の周波数は、通常、数MHzである。
 2 MRI (magnetic resonance imaging)は、生体内の水と脂肪とを区別して画像で表示することができる。
 3 X線CT (computed tomography)は、生体にX線を照射し、X線反射率の違いを輝度として画像に表示する。×
解:X線CT (computed tomography)は、生体にX線を照射し、X線透過率の違いを輝度として画像に表示する。
 4 ポジトロンCTは、安定同位体で標識した薬物の体内動態を定量的に画像表示できる。×
解:ポジトロンCTは、放射性同位元素(ポジトロン核種)体内に導入し、体外から検出し画像表示できる。
 5 造影剤の投与後に行うX線診断法は、胸部や骨格系の診断に広く用いられる。×
解:造影剤の投与後に行うX線診断法は、血管尿路の診断に広く用いられる。


問35 
日本薬局方に収載されている生薬に関する記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

 a ゲンチアナとリュウタンは、セコイリドイド配糖体のゲンチオピクロシドを含有しており、この成分が確認試験の薄層クロマトグラフ法における標準物質となっている。
 b オウレンとオウバクは、フラボノイドを含有しており、Liebermann-Burchard反応による確認試験が用いられる。×
解:オウレンとオウバクは、ベルベリンを含有しており、過酸化水素による確認試験が用いられる。
 c ゴシュユとセンソは、インドール化合物を含有しており、4-ジメチルアミノベンズアルデヒド試液による確認試験が用いられる。(廃問)
 d センナとケツメイシは、タンニンを含有しており、マグネシウムと塩酸による確認試験が用いられる。×
解:センナとケツメイシは、アントラキノン誘導体を含有しており、 アルカリによる呈色反応が用いられる。
 e カンゾウとニンジンは、ステロイドサポニンを含有しており、起泡性による確認試験が用いられる×
解:カンゾウとニンジンは、サポニン(トリテルペン配糖体)を含有しており、薄層クロマトグラフ法による確認試験が用いられる(ニンジン・カンゾウ:起泡性なし)


問36 
漢方処方の八味地黄丸に配合されている生薬に関する記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

 a タクシャは、オモダカ科植物の塊茎から調製され、利尿などの効果がある。
 b サンシュユは、バラ科植物の真正果実から調製され、瀉下などの効果がある。×
解:サンシュユは、ミズキ科植物の偽果の果肉から調製され、滋養強壮などの効果がある。
 c ブクリョウは、サルノコシカケ科マツホドの菌核で、利尿などの効果がある。
 d ジオウは、ゴマノハグサ科植物の根から調製され、補血強壮などの効果がある。
 e ボタンピは、ボタン科植物の樹皮から調製され、健胃などの効果がある。×
解:ボタンピは、ボタン科植物の根皮から調製され、鎮痛鎮静などの効果がある。


問37 
次に示すa~dは、日本薬局方に収載されている天然物を起源とする医薬品の構造式である。a~dに対応する説明ア~エについて、正しい組合せはどれか。


 ア 南米のインディオの矢毒(クラーレ)として用いられたツヅラフジ科植物Chondodendron tomentosumの樹皮から得られた末梢性筋弛緩薬。
 イ ケシ科植物Papaver somniferumの未熟果実の乾燥乳液(アヘン)から得られた非麻薬性の平滑筋弛緩薬。
 ウ キョウチクトウ科植物Rauwolfia serpentinaの根から得られた抗精神病薬、抗高血圧薬。
 エ セリ科植物Ammi majusの果実から得られた尋常性白斑治療薬。

    a b c d 
  4 エ ア イ ウ



問38 
糖質に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

 a グルコースは、環状エステルであるピラノース形として大部分存在する。×
解:グルコースは、環状ヘミアセタールであるピラノース形として大部分存在する。
 b β-D-グルコピラノースをピリジン中、無水酢酸と反応させるとヘキサ-O-アセチル-β-D一グルコピラノースが生成する。×
解:β-D-グルコピラノースをピリジン中、無水酢酸と反応させるとペンタ-O-アセチル-β-D-グルコピラノースが生成する。
 c β-D-グルコピラノースを塩酸存在下、メタノールと反応させるとメチルD-グルコピラノシドのジアステレオマー混合物が生成する。
 d β-D-グルコピラノースを水素化ホウ素ナトリウムで還元するとD-グルシトール(D-ソルビトール)が生成する。


問39 
ビタミンに関する記述について、正しいものの組合せはどれか。

 a ビタミンA誘導体の11-cis-レチナールは、網膜における光受容体の機能に関与する。
 b ビタミンB6(ピリドキシン類)は細胞内でリン酸化されて、ピルビン酸の脱炭酸反応における補酵素として作用する。×
解:ビタミンB6(ピリドキシン類)は細胞内でリン酸化されて、アミノ酸の代謝反応における補酵素として作用する。
 c 葉酸は細胞内で還元されて、一炭素転移反応に関与する。
 d ビオチンは、アミノ酸の脱アミノ化反応に関与する。×
解:ビオチンは、炭酸固定反応に関与する。


問40 
酵素反応に関する記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

 a 酵素にその基質が結合すると、一般に酵素の立体構造が変化する。
 b 酵素反応の競合的阻害剤が存在すると、見かけのKM(ミカエリス(Michaelis)定数)は阻害剤非存在時より低下する。×
解:酵素反応の競合的阻害剤が存在すると、見かけのKM(ミカエリス(Michaelis)定数)は阻害剤非存在時より増大する。
 c ヨード酢酸や重金属イオンによる酵素の不可逆的阻害では、基質濃度を高めると阻害の程度が低下する。×
解:ヨード酢酸や重金属イオンによる酵素の不可逆的阻害では、基質濃度を高めても阻害の程度は変化しない
 d シアン化物イオンは、シトクロムc酸化酵素の活性中心にある金属イオンに結合して酵素活性を低下させる。


問41 
糖質の代謝に関する記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

 a D-グルコースが解糖系により代謝されるとき、中間体としてリン酸化体を経由する。
 b 解糖系に関与する酵素群は、ミトコンドリアに局在している。×
解:解糖系に関与する酵素群は、細胞質に局在している。
 c グリコーゲンにグリコーゲンホスホリラーゼが作用すると、D-グルコース-1-リン酸が生成する。
 d ラクトースにβ-ガラクトシダーゼが作用すると、2分子のD-ガラクトースが生成する。×
解:ラクトースにβ-ガラクトシダーゼが作用すると、ガラクトース1分子グルコース1分子が生成する。


問42 
ヒトのコレステロール生合成に関する記述の〔〕の中に入れるべき字句の正しい組合せはどれか。

 動脈硬化の発症に深く関わっているコレステロールは、〔 a 〕を出発物質として炭素数30の鎖状構造を持つ〔 b〕を経て合成される。その後〔 b 〕からラノステロールとなり、3個のメチル基が失われて炭素数27のコレステロールが生成する。このコレステロール合成の律速段階の1つに、ヒドロキシメチルグルタリルCoA(HMG - CoA)還元酵素によって炭素数6の〔 c 〕を生成する反応があり、この酵素の阻害薬は高コレステロール血症の治療に用いられる

1
アセチルCoA スクアレン メバロン酸
2
アセチルCoA ファルネシルピロリン酸 メバロン酸
3
メバロン酸 スクアレン アセチルCoA
4
メバロン酸 ファルネシルピロリン酸 アセチルCoA
5
アセチルCoA メバロン酸 スクアレン
6
メバロン酸 アセチルCoA スクアレン


>
問43 
ヌクレオチド代謝に関する記述について、正しいものの組合せはどれか。

 a 動物細胞内における遊離プリンからのプリンヌクレオチド生合成には、ホスホリボシルピロリン酸が使われる。
 b ピリミジンは、酸化されて尿酸となって排泄される。×
解:プリンは、酸化されて尿酸となって排泄される。
 c チミジル酸は、リボチミジル酸からヌクレオチドレダクターゼの作用により生成する。×
解:チミジル酸は、デオキシウリジル酸(dUMP)からチミジル酸シンテターゼ(合成酵素)の作用により生成する。
 d ジヒドロ葉酸レダクターゼを阻害すると、プリン生合成が阻害される。


問44 
中枢神経系に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

 a 脳幹は、中脳、橋、延髄及び脊髄からなる。×
解:脳幹は、中脳、橋、延髄及び間脳からなる。
 b 中脳には、動眼神経の起始核がある。
 c 橋には呼息中枢と吸息中枢があり、呼吸を調節している。×
解:延髄には呼息中枢と吸息中枢があり、橋には呼吸調節中枢がある。
 d 延髄には、生命の維持に必要な自律機能を制御している中枢がある。


問45 
自律神経系に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

 a 交感神経の神経節は、効果器から離れたところにある。
 b 交感神経のシナプス比は、通常1:1である。×
解:交感神経のシナプス比は、通常1:20~30である。
 c 副交感神経の神経節は、効果器の近傍又はその中にある。
 d 副交感神経のシナプス比は、通常1:20である。×
解:副交感神経のシナプス比は、通常1:1~2である。


問46 
循環器系に関する記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

 a 心臓の活動電位は、洞房結節で自動的に発生している。
 b 洞房結節の興奮は心房筋に伝わり、房室結節、ヒス束等を経て心室筋に伝わる。
 c 生理的条件下では、心拍数は心室筋の自動的興奮の頻度によって決まる。×
解:生理的条件下では、心拍数は洞房結節の自動的興奮の頻度によって決まる。
 d 心筋細胞は1回活動電位を発生すると、ある一定時間内は活動電位を発生することはできない。


問47 
呼吸器系に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

 a 右気管支の分枝方向は左気管支より垂直で短くかつ太いので、気管に落ち込んだ異物は右気管支へ入りやすい。
 b 気管支平滑筋は交感神経の興奮によって収縮し、副交感神経の興奮によって拡張する。×
解:気管支平滑筋は交感神経の興奮によって拡張し、副交感神経の興奮によって収縮する。
 c 肺表面は薄い横隔膜によりおおわれて、保護されている。×
解:肺表面は薄い胸膜によりおおわれて、保護されている。
 d 肺胞上皮細胞には、ガス交換に関与するI型細胞と表面活性化物質を産生するII型細胞がある。


問48 
腎機能に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

 a 糸球体で限外ろ過された原尿のうち、およそ99%の水は尿として排泄される。×
解:糸球体で限外ろ過された原尿のうち、およそ99%の水は血液中に再吸収される。
 b ヘンレ係蹄上行脚ではNa+とCl-の再吸収に伴い、水も大量に再吸収される。×
解:ヘンレ係蹄上行脚ではNa+とCl-の再吸収されるが、水はほとんど再吸収されない
 c 遠位尿細管では、Na+の再吸収とK+の排泄が行われる。
 d バソプレシンは、集合管における水の再吸収を促進する。


問49 
赤血球に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

 a 赤血球の前駆体細胞を骨髄芽球という。×
解:赤血球の前駆体細胞を前赤芽球という。
 b 赤血球の産生は、エリスロポエチンにより調節される。
 c 赤血球の平均寿命は、約12日である。×
解:赤血球の平均寿命は、約120日である。
 d 赤血球は、主に脾臓で破壊される。


問50 
骨に関する記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

 a 骨のCa2+は一度沈着すると、一生の間遊離しない。×
解:骨のCa2+は一度沈着しても、再び遊離する
 b 骨には、血管はほとんど分布していない。×
解:骨には、血管が分布している。
 c 骨芽細胞は、コラーゲンなどを分泌して骨形成を行い、骨細胞になる。
 d 破骨細胞は、骨吸収に密接に関係している。
 e 赤色骨髄は、血球産生の場である。


問51 
微生物に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

 a 真菌は、真核生物である。
 b 大腸菌は、グラム陽性細菌である。×
解:大腸菌は、グラム陰性細菌である。
 c 黄色ブドウ球菌のペプチドグリカンには、D-アミノ酸残基が含まれている。
 d 大腸菌のペプチドグリカンには、N-アセチルムラミン酸とN-アセチルグルコサミンが結合した構造が含まれている。
 e 大腸菌は、空気中の二酸化炭素を炭素源として、グルコースを合成する能力を有している。×
解:大腸菌は、グルコースなどの有機物の生成を他の生物に依存する。


問52 
ウイルスに関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

 a ウイルスには、脂質二重膜を有するものがある。
 b ウイルスには、タンパク質合成系を有するものがある。×
解:ウイルスには、タンパク質合成系を有するものはない
 c アデノウイルスは、DNAを遺伝情報物質としてもっている。
 d レトロウイルスは、RNAを遺伝情報物質としてもっている。
 e エイズ(後天性免疫不全症候群)の原因ウイルスは、アデノウイルスである。×
解:エイズ(後天性免疫不全症候群)の原因ウイルスは、レトロウイルスである。


問53 
真核細胞の細胞内小器官に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

 a 核膜はリン脂質の二重層からなる。
 b 好気的酸化によるATP合成は、ミトコンドリア内で行われる。
 c リソソームは、不要となった細胞成分や細胞が取り込んだ外来物質を分解する。
 d 分泌タンパク質は、細胞膜に結合したリボソーム上で合成される。×
解:分泌タンパク質は、粗面小胞体膜に結合したリボソーム上で合成される。
 e 核に局在するタンパク質は、核内で合成される。×
解:核に局在するタンパク質は、核内で合成されない(核内でタンパク質合成はできない)


問54 
染色体DNAの複製と複製酵素に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

 a DNAの複製は、半保存的である。
 b DNAポリメラーゼによる複製開始には、プライマーが必要である。
 c DNAの複製の際に起こるコピーエラーの多くは、DNAポリメラーゼのもつ校正機能によって修正される。
 d DNAポリメラーゼは、伸長中の鎖の5'-ヒドロキシ末端へのヌクレオチドの付加を触媒する。×
解:DNAポリメラーゼは、伸長中の鎖の3'-ヒドロキシ末端へのヌクレオチドの付加を触媒する。
 e 複製を完了した2つの環状DNA分子は、RNAポリメラーゼにより分離される。×
解:複製を完了した2つの環状DNA分子は、Ⅱ型DNAトポイソメラーゼにより分離される。


問55 
遺伝子工学に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

 a 制限酵素は、特定のヌクレオチド配列を認識し、DNAを特異的な箇所で切断する。
 b 遺伝子のクローニングに用いられるベクターの実体は、DNAである。
 c リガーゼは、DNAを切断する酵素である。×
解:リガーゼは、DNA鎖の3´-OH基と5´-リン酸結合を結合する酵素である。
 d ヒトの肝臓のcDNAライブラリーには、ヒトゲノムDNAのほとんど全てに相当する配列が含まれている。×
解:ヒトの肝臓のcDNAライブラリーには、ヒトゲノムDNAのほとんど全てに相当する配列が含まれているとはいえない
 e クローン化遺伝子を発現させることによって宿主の中で合成されたポリペプチドを組換えタンパク質という。

問56 
次の図は、月経周期、下垂体ホルモン(a、b)及び下垂体ホルモンにより誘導されるホルモン(c、d)の関係を示したものである。図中a~dのホルモン名として、正しいものの組合せはどれか。
>

1

黄体形成ホルモン
性腺刺激ホルモン
エストラジオール プロゲステロン

2

黄体形成ホルモン
性腺刺激ホルモン
プロゲステロン エストラジオール

3

卵胞刺激ホルモン
黄体形成ホルモン
エストラジオール プロゲステロン

4

卵胞刺激ホルモン
黄体形成ホルモン
プロゲステロン エストラジオール


>
問57 
糖代謝を制御するホルモンに関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

 a グルココルチコイドは、肝臓における糖新生を促進する。
 b インスリンは、脂肪の分解を促進する。×
解:インスリンは、脂肪の合成を促進する。
 c グルカゴンは、肝臓でグリコーゲンのブドウ糖への分解を促進する。
 d ソマトスタチンは、インスリンの分泌を促進する。×
解:ソマトスタチンは、インスリンの分泌を抑制する。


問58 
生体防御にかかわる細胞に関する記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

 a 白血球表面に存在する主要組織適合遺伝子複合体(MHC)の産物は、ヒトではHLA抗原とよばれる。
 b 好中球は顆粒球の一種であり、抗体を産生して殺菌作用を示す。×
解:好中球は顆粒球の一種であり、抗原を細胞内に取り込み、消化・分解する貪食作用を示す。
 c マクロファージは、細菌やウイルスを貧食したり、抗原提示細胞として働いたりする。
 d 肝臓中のKupffer細胞は、異物に対して貧食作用を示す。


問59 
抗体に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

 a 抗体のH鎖定常領域に対する受容体を介して、食細胞は効率よく抗原を取り込むことができる。
 b 免疫グロブリンのL鎖には、γ鎖又はμ鎖がある。×
解:免疫グロブリンのL鎖には、κ鎖又はλ鎖がある。
 c IgEは、抗原と結合したのち、補体を活性化して炎症を起こす。×
解:IgG・IgMは、抗原と結合したのち、補体を活性化して炎症を起こす。
 d 分泌型IgAは、粘膜面での微生物に対する防御反応に重要な役割を果たしている。


問60 
サイトカインに関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

 a サイトカインの大部分は、それぞれ単一の生理活性を示す。×
解:サイトカインの大部分は、それぞれ多種類の生理活性を示す。
 b インターフェロンγは、体液性免疫反応に関与するヘルパーT細胞誘導を促進する。×
解:インターフェロンγは、体液性免疫反応に関与するヘルパーT細胞誘導を抑制する。(細胞性免疫反応に関与するヘルパーT細胞)
 c インターロイキン4は、IgEの産生に重要な役割を果たしている。
 d インターロイキン1や腫瘍壊死因子α(TNFα)は、炎症反応の誘導に重要な役割を果たしている。

  1(a、b)  2(a、c)  3(a、d)
  4(b、c)  5(b、d)  6(c、d)