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基礎薬学

問1.日本薬局方収載医薬品 a ~ e のIUPAC規則名の正誤について、正しい組合せはどれか。

2-acetoxybenzoic acid
N-(4-hydroxyphenyl) acetamide
2-(4-isobutylphenyl) acetic acid×2-(4-isobutyl phenyl) propionic acid
2-(aminocarboxy) phenyl ethyl ether×2-ethoxybenzamide
2-chloro-1,1,2-trifluoroethyl difluoromethyl ether


問2.化合物 a ~ e に関する芳香族性の記述ア~オについて、正しいものの組合せはどれか。

a.芳香族性はHuckel則(4n+2)でn=2の例である。
b.非共有電子は芳香族性に寄与していない。
c.非共有電子が芳香族性に寄与している。
d.プロトン(proton)がとれると、6π電子系となり芳香族化する。
e.ヒドリド(hydride)がとれると、6π電子系となり芳香族化する。


問3.生体関連金属錯体に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a.cyanocobalaminにはFeが含まれている。×
解:cyanocobalamin(VB12)にはCoが含まれている。
b.chlorophyllにはMgが含まれている。
c.heme(又はhaem)にはMnが含まれている。×
解:heme(又はhaem)にはFeが含まれている。
d.hemocyaninにはCoが含まれている。×
解:hemocyaninにはCuが含まれている。


問4.立体化学に関する次の記述 a ~ e について、正しいものの組合せはどれか。
a.不斉炭素(キラル炭素)を含む化合物は、必ず光学活性を示す。×
解:不斉炭素(キラル炭素)を含む化合物は、必ずしも光学活性を示すとは限らない
b.すぺてのラセミ体は、再結晶や蒸留により光学分割が可能である。×
解:ラセミ体は、再結晶や蒸留により光学分割が不可能である。
c.反応中心のみが不斉炭素である光学活性化合物が、carbocation中間体を経る反応は、特別の反応を除きラセミ化する。
d.2,3-dibromobutaneは2個の不斉炭素を持ち、4個の光学活性体が存在する。×
解:2,3-dibromobutaneは2個の不斉炭素を持ち、2個の光学活性体が存在する。
e.糖の一方のアノマーを水に溶解したとき、平衡になることによって起こる旋光度の変化は変旋光と呼ばれる。

問5.ヨウ素に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a.ヨウ素のエタノール溶液とヨウ素のクロロホルム溶液とで色が異なるのは、これらの溶媒とヨウ素との分子間相互作用が異なるためである。
b.ヨウ素は、還元作用により殺菌効果を示す。×
解:ヨウ素は、酸化作用により殺菌効果を示す。
c.ヨウ素分子は、2個のヨウ素原子が共有結合したものである。
d.結晶中では全てのヨウ素分子は、ヨウ素原子に解離している。×
解:結晶中では全てのヨウ素分子は、ヨウ素分子に解離している。
e.ヨウ素は、大過剰のKIが存在すると、水溶液中ではほとんどが I3-として溶存している。

問6.化学反応に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a.溶液中での水酸化ナトリウムによる臭化エチルからエタノールヘの変換は、求核置換反応である。
b.水素化アルミニウムリチウムによる安息香酸エチルからベンジルアルコールへの変換は、酸化反応である。×
解:水素化アルミニウムリチウムによる安息香酸エチルからベンジルアルコールへの変換は、還元反応である。
c.塩素によるメタンから塩化メチルヘの変換は、酸化反応である。
d.濃硝酸-濃硫酸混液によるペンゼンからニトロベンゼンヘの変換は、求電子置換反応である。
e.硫酸によるtert-ブチルアルコールから2-メチルプロペンヘの変換は、脱離反応である。

問7.一分子求核置換反応(SN1反応)及び二分子求核置換反応(SN2反応)に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a.SN1反応の反応速度は、求核試薬の濃度に依存しない。
b.速度論的に、SN1反応は中間体を通る2段階の反応であるのに対し、SN2反応は1段階の反応である。
c.ハロゲン化アルキルを、SN2反応の反応速度の速い順に並べると、ハロゲン化メチル、第一級ハロゲン化物、第二級ハロゲン化物、第三級ハロゲン化物の順になる。
d.ブロモベンゼンは、SN1反応もSN2反応も起こしにくい。

問8.下図に示す18O標識安息香酸エチルを水酸化ナトリウム水溶液で処理した後、反応液を酸性にした。予想される主生成物を1~5の中から選べ。ただし特に表示のない酸素原手はすぺて16Oとする。




問9.benzoic acid誘導体 a ~ d に関する下記の記述ア~オの正誤について、正しい組合せはどれか。

ア.アシル化剤としての反応性は、c、a、d、bの順である。×
解:アシル化剤としての反応性は、c、da、bの順である。
イ.赤外吸収スペクトルのC=0の伸縮振動の吸収は、aの方がbよりも高波数側にある。
ウ.bをethanolに溶解し、室温で1時間放置しても変化しない。
エ.Grignard試薬はaと反応する。
オ.anilineをpyridineに溶解し、cを加えても何の反応も起こらない。×
解:anilineをpyridineに溶解し、cを加えると、amideが生成する


問10.脱離反応に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a.E1反応で進行するアルコールの酸による脱水は、第三級アルコールの方が第二級アルコールより起こりやすい。
b.2-bromobutaneをsodium ethoxideで処理すると、E2反応が進行し、Saytzeff則にしたがった2-buteneが主として生成する。
c.1,2-dibromobutaneをsodium iodideで処理すると2-buteneが生成する。×
解:1,2-dibromobutaneをsodium iodideで処理すると1-buteneが生成する。
d.cis-1-chloro-2-methylcyclohexaneをsodium methoxideで処理し、E2脱離を行うと、Saytzeff則にしたがった3-methylcyclohexeneが主として生成する。×
解:cis-1-chloro-2-methylcyclohexaneをsodium methoxideで処理し、E2脱離を行うと、Saytzeff則にしたがった1-methylcyclohexeneがとして生成する。


問11.次の記述はあるbromoalkaneの構造決走に関するものである。最も適する化学構造式はどれか。
 bromoalkane(C6H13Br)は水と速やかに反応してalcohol(C6H140)を生じるが、etherを生成させる目的でsodium ethoxideと反応させると、唯一の生成物としてalkene(C6H12)が得られた。このalkeneのオゾン分解では2種のカルボニル化合物、すなわちketone(C4H80)とaldehyde(C2H40)を生成した。




問12.次の化合物 a ~ d について、永久双極子モーメントをもつものの正しい組合せはどれか。
a.CO2   b.H2O   c.NH3   d.Cl2

問13.次の化合物 a ~ e について、その共役塩基の塩基性が強いものから順に並ぺた。正しいものはどれか。

(a.CH3CH3)>( d.NH3)>( c.H2O)> (b.CH3COOH)>(e.H2SO4)

問14.次の2つの式はある代表的な酸塩基指示薬の変色反応機構を示したものである。記述 a ~ d の正誤について、正しい組合せはどれか。

a.Aはアルカリ性溶液中で解離し、A’ は赤色(赤紫色)を呈する。
b.Bは酸性溶液中でキノン形構造をとり、赤色を呈する。
c.Aは弱酸性化合物であり、Bは弱塩基性化合物である。
d.BとB’ の濃度が等しい場合には、これらの中間の色調を呈する。

問15.下の図はある酸性化合物の化学種(イオン形又は分子形)のモル分率とpHとの関係を示したものである。次の記述 a ~ c の正誤について、正しい組合せはどれか。

a.曲線の交点のpHは、その化合物のpKaに等しい。
b.曲線の交点より低いpHでは、イオン形の濃度が分子形の濃度より高い。×
解:曲線の交点より低いpHでは、分子形の濃度がイオン形の濃度より高い。
c.pH 8以上ではほぼ完全に分子形として存在する。×
解:pH 8以上ではほぼ完全にイオン形として存在する。


問16.互いに共役である酸塩基対をある濃度以上含む溶液に、少量の酸や塩基を加えたり、水を加えて薄めたりしても、その溶液のpHは大きく変化しない。このような溶液をpH緩衝液といい、次式の関係がある。
            


 次の記述の[   ]に入れるぺき数値の正しい組合せはどれか。ただし、酢酸の pKa=4.74 とする。
A.酢酸と酢酸ナトリウムの各々0.200 mol/L水溶液を等容量ずつ混合した。最も近いpHは[ a ]である。
B.Aの溶液100 mLに1.00 mol/L 塩酸1.0 mLを加えた。最も近いpHは、[ b ]である。

   a   b 
 1 3.74  3.65
 2 4.74  4.65
 3 5.74  4.83
 4 4.74  3.65
 5 3.74  4.65



問17.水の状態図に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a.曲線BTAの左側の(・)の領域では、水は固体(氷)状態にある。
b.曲線BTは融解曲線である。×
解:曲線BTは昇華曲線である。
c.T点においては、氷と水と水蒸気が共存する。
d.凍結乾燥はT点以下の圧力下で行われる。


問18.日本薬局方に従い、クロロホルム/1-プロパノール混液(3:2)を調製する操作として正しいものはどれか。
1.別々のビーカーを用いてクロロホルムを30 gと1-プロパノールを20 g量り、両者を混合した。
2.50 mLのメスシリンダーにクロロホルム30 mLをとり、ついで1-プロパノールを加えて全量を50 mLとした。
3.50 mLのメスシリンダーに1-プロパノール20 gを量り、それにクロロホルムを加えて50 mLとした。
4.50 mLのメスフラスコに1-プロパノール20 mLを全量ピペットでとり、クロロホルムを加えて50 mLとした。
5.別々のメスシリンダーにクロロホルム30 mLと1-プロパノール20 mLをとり、両者を混合した。



問19.物質Aの濃度が減少するとき、その反応速度は一般に次式で示される。
  -d[A]/dt=k[A]n
n は反応次数、k は反応速度定数、tは時間である。また、[A]0を初期濃度とするとき、反応次数(n)と積分反応速度式との関係は次のように示される。
    反応次数(n)    積分反応速度式
a    0        [A]=[A]0-kt
b    1        ln[A]=ln[A]0-kt
c    2        [A]-1=kt+[A]0-1

反応速度定数kの次元について、正しい組合せはどれか。
     a      b      c
1    時間-1    時間-1     時間-1 
2  濃度・時間-1   時間-1    濃度・時間-1 
3    濃度   濃度-1・時間-1   濃度-1 
4  濃度・時間-1   時間-1    濃度-1.時間-1 
5    濃度-1  濃度・時間-1    濃度-1 



問20.X線に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a.X 線はフイルムに塗布した写真乳剤に潜像を形成させる。
b.X 線の振動数は赤外線の振動数よりも大である。
c.X 線を用いる回折法で固体薬物が結晶性であるかどうかを判断できる。
d.X 線は動物の硬組織よりも軟組織の方が透過しにくい。×
解:X 線は動物の硬組織よりも軟組織の方が透過しやすい


問21.次の放射壊変に伴う親核種の原子番号(Z)及び質量数(A)の変化の正誤について、正しい組合せはどれか。

壊変形式 娘核種の原子番号 娘核種の質量数
α壊変 Z-2 A-4
β-壊変 Z-1 A
解: β-壊変 Z+1 A
β+壊変 Z+1 A
解: β+壊変 Z-1 A
軌道電子捕獲 Z-1 A

問22.次の分析法について、非破壊的で測走後に試料の回収が可能なものの組合せはどれか。
a.質量分析法     b.円二色性測定法    c.原子吸光光度法
d.赤外分光法     e.窒素定量法(セミミクロケルダール法)


問23.核磁気共鳴に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a.核磁気共鳴は原子核スピンの励起に伴う現象なので、周辺電子の状態は共鳴位置に影響を及ぼさない。×
解:核磁気共鳴は原子核スピンの励起に伴う現象であり、周辺電子の状態は共鳴位置に影響を及ぼす
b.核磁気共鳴スペクトルの測定には、赤外線より波長の短いラジオ波領域の電磁波が用いられる。×
解:核磁気共鳴スペクトルの測定には、赤外線より波長の長いラジオ波領域の電磁波が用いられる。
c.通例、溶媒として有機溶媒を用いた場合は、内部基準物質としてテトラメチルシラン(TMS)を用いる。
d.プロトン間のスピン-スピン結合定数は、外部磁場の強さには影響されない。


問24.次の図は、日本薬局方収載医薬品のCDCl3中の60 MHzプロトンNMRスペクトである。このスペクトルに該当する医薬品で正しいものはどれか。ただし、試料を重水で処理すると4.1 ppm付近のシグナルはその高さが6分の1程度までに減少した。


 1.アセトアミノフェン  2.アミノ安息香酸エチル(ベンゾカイン)
 3.エテンザミド     4.パルビタール     5.フェナセチン



問25.質量分析法に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a.装置はイオン化部、加速部、質量分析部及び検出部よりなる。
b.本法は気体試料にのみ適用できる。×
解:本法は気体・液体・固体試料に適用できる。
c.スペクトルは、通常、横軸に質量電荷比(m/z)、縦軸に強度の最も大きいイオンを100とした各イオンの相対強度を示す棒グラフで表される。
d.フラグメントイオンの生成過程における結合の開裂様式には、単純なラジカル開裂及びイオン開裂のほかに転位を伴う場合がある。
e.高分解能で測定すると、各イオンの組成式を知ることができる。


問26.日本薬局方の吸光度測定法に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a.透過度tの逆数の常用対数を吸光度Aという。
b.測定セルの層長を1 cm、吸光物質の濃度を1 mol/Lの溶液に換算したときの吸光度をモル吸光係数εという。
c.吸光度Aの値は、溶媒の種類に関係なく一定である。×
解:吸光度Aの値は、溶媒の種類などの影響を受ける
d.紫外部の吸収測走には、石英製セルを用いる。


問27.物質の旋光性に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a.化合物の比旋光度を算出するとき、必ずしも分子量がわかっている必要はない。
b.旋光度は通常赤外線の波長領域で測定される。×
解:旋光度は通常可視光線の波長領域で測定される。
c.物質が旋光性を持つためには、分子の中に少なくとも1個の不斉原子(キラル中心)がなければならない。×
解:物質が旋光性があるものは、分子の中に少なくとも1個の不斉原子(キラル中心)がある場合とない場合がある
d.円二色性は左右円偏光の吸光係数の差に起因する。


問28.日本薬局方液体クロマトグラフ法に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a.物質の確認は、試料の被検成分と標準被検成分の保持時間が一致することにより行うことができる。
b.物質の定量には、内標準法あるいは絶対検量線法を利用する。
c.検出器として紫外吸光光度計を用いたとき、2つの成分が完全に分離され、ピーク面積が同じであれば、2つの成分の含量は同じである。×
解:検出器として紫外吸光光度計を用いたとき、2つの成分が完全に分離され、ピーク面積が同じであっても、2つの成分の含量は同じであるとは限らない
d.理論段数はカラム中における物質のバンドの広がりの度合いを示す。


問29.日本薬局方医薬品の確認試験に関する次の記述について、正しいものの組合せはどれか。
「本品1 mLにヨウ素試液2 mL及び水酸化ナトリウム試液2mLを加えて振り混ぜるとき、淡黄色の沈殿を生じる。」
a.この試験の試薬は、酸化作用があるのでエタノールは陽性に反応する。
b.この試験の試薬は、還元作用があるので酢酸は陽性に反応する。
c.ホルミル構造が陽性に反応する。
d.メチルケトン構造が陽性に反応する。
e.生成するのはヨードホルムとカルボン酸塩である。

f.生成するのはヨードホルムとアルコキシドである。


問30.日本薬局方収載の塩化ベンザルコニウムは[C6H5CH2N(CH3)2R]Clで示され、RはC8H17 ~ C18H37で、主としてC12H25及びC14H29からなる。この化合物を確認する試験は芳香族第一アミンの定性反応を利用している。
 この確認試験に関する次の記述の空欄 A~E に入れるぺき繰作 a ~ e の順序について正しい組合せはどれか。

本品を硫酸に溶かす。[ A ][ B ][ C ][ D ][ E ]液は赤色を呈する。
a.スルファミン酸アンモニウム試液を加えてよく振り混ぜ、1分間放置する。
b.シュウ酸N-(1-ナフチル)-Nユ-ジエチルエチレンジアミン試液を加える。
c.硝酸ナトリウムを加えて水浴上で5分間加熱し、放冷する。
d.水及び亜鉛末を加え、5分間加熱し、冷後、ろ過し、ろ液を用いる。
e.氷冷しながら亜硝酸ナトリウム試液を加えて振り混ぜ、2分間放置する。

   A B C D E
 1 c d a b e
 2 c d e a b
 3 d c b a e
 4 d c e a b
 5 e d c b a



問31.次の記述は、下記の構造式で示した日本薬局方医薬品の定量法に関するものである。この操作で生成する物質の正しい構造式は1~5のどれか。
「本品を乾燥し、その約0.5 gを精密に量り、中和エタノール30 mLに溶かし、水20 mLを加え、0.1 mol/L 水酸化ナトリウム液で滴定する。」



解:4
問32.容量分析用標準液に関する次の記述により、ファクターfを求める計算式の正しいものはどれか。
1モルの質量がM(g)の標準物質m(g)を精密に量り、溶媒を加えて溶かし、モル濃度nの未標定標準液で滴定したところ、その消費量はV(mL)であった。



解:2
問33.次の化合物は、バッカクに含まれる成分で、4-ジメチルアミノベンズアルデヒド・塩化鉄(・)試液により呈色する。下記の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。


a.本試液による呈色は、キノリン骨格に起因する。×
解:本試液による呈色は、インドール骨格に起因する。
b.本試液は、酸アミド結合の確認に用いる。×c.本試液による呈色は、インドール骨格に起因する。
d.上記化合物は、エルゴタミンと同様に加水分解によりリゼルグ酸(lysergic acid)を生ずる。


問34.日本薬局方の生薬に関する次の記述について、正しいものの組合せはどれか。
a.「ゲンチアナ」、「リュウタン」、「センブリ」はいずれもリンドウ科(Gentianaceae)植物を基原とし、主要な成分にセコイリドイド配糖体が知られている。
b.「ケイヒ」、「ウイキヨウ」、「チョウジ」はいずれも精油を含み、その主成分は芳香族化合物である。
c.「トウヒ」、「チンピ」、「キジツ」はいずれもミカン科(Rutaceae)植物を基原とし、主要な成分にビアントロン配糖体が知られている。×
解:「トウヒ」、「チンピ」、「キジツ」はいずれもミカン科(Rutaceae)植物を基原とし、主要な成分にフラボノイドが知られている。
d.「キキョウ」、「セネガ」、「ニンジン」はいずれも根を薬用部位とし、主要な成分にトリテルペンアルカロイドを含む。×
解:「キキョウ」、「セネガ」、「ニンジン」はいずれも根を薬用部位とし、主要な成分にトリテルペンサポニンを含む。


問35.次の天然由来の日本薬局方医薬品とその基原となる生薬の関係について、正しいものの組合せはどれか。
a.Reserpine------------------ラウオルフィア
b.Atropine Sulfate------------マオウ×
解:Atropine Sulfate------------ベラドンナコン
c.Quinine Sulfate-------------キナ
d.Cocaine Hydrochloride-------ベラドンナコン×
解:Cocaine Hydrochloride-------コカ


問36.次の1~5に示す構造式は、日本薬局方に収載されている天然由来の医薬品のものである。これらのうちPapaver somniferum L. (Papaveraceae)の成分由来のものはどれか。



解:1

問37.β-ラクタム系に属する抗生物質として、正しいものの組合せはどれか。
a.塩酸リンコマイシン×   b.塩酸バンコマイシン×   c.イミペネム
d.グリセオフルビン×    e.セフォペラゾンナトリウム


問38.細菌の薬剤耐性に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a.β-ラクタム系抗生物質に対する耐性菌では、ペニシリン結合たん白質が変化している場合がある。
b.アミノグリコシド系抗生物質に対する耐性菌では、主にアセチル化、アデニリル化及びリン酸化による不活性化が知られている。
c.キノロン系抗菌薬に対する耐性菌では、その標的酵素であるDNAポリメラーゼが変化している。×
解:キノロン系抗菌薬に対する耐性菌では、その標的酵素であるDNAジャイレースが変化している。


問39.脂質に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a.一般に不飽和脂肪酸の方が同じ炭素数の飽和脂肪酸より融点が低い。
b.天然脂肪酸は、一般に枝分かれのない鎖状構造をもち、炭素数は偶数である。
c.天然脂肪酸が分子内に二重結合を持つ場合、一般にその配置は安定なtrans形である。×
解:天然脂肪酸が分子内に二重結合を持つ場合、一般にその配置は安定なcis形である。
d.動物脂肪のラードは、植物油であるオリブ油に比べて、飽和脂肪酸の割合が大きい。


問40.糖及び糖アルコールに関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a.glucose、mannose、galactose、fructoseは六炭糖であり、ribose、arabinose、xyloseは五炭糖である。
b.糖の銀鏡反応は、糖から銀イオンへ電子が移る結果起こる。
c.D-glucose及びD-sorbito1は両方とも甘味を持ち、水に溶けやすく有機溶媒に溶けにくい。
d.1分子のD-glucoseは、生体内で好気的代謝を受け2分子の乳酸(lactic acid)を生成する。×
解:1分子のD-glucoseは、生体内で嫌気的代謝を受け2分子の乳酸(lactic acid)を生成する。


問41.アミノ酸及びたん白質に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a.たん白質の紫外吸収スペクトルを測走すると、通常280nm付近に吸収極大を示すが、これは構成アミノ酸中の塩基性アミノ酸に由来している。×
解:たん白質の紫外吸収スペクトルを測走すると、通常280nm付近に吸収極大を示すが、これは構成アミノ酸中の芳香族アミノ酸に由来している。
b.たん白質は、等電点で水に対する溶解度が低くなる。
c.塩基性アミノ酸は、中性付近で、陽イオン交換樹脂に酸性アミノ酸よりも吸着されやすい。
d.glutamic acidは、oxaloacetic acidからアミノ基転移反応によって生合成される。×
解:glutamic acidは、α-ketogultamic acidからアミノ基転移反応によって生合成される。


問42.次の記述は核酸に関するものである。[   ]中に入れるぺき正しいものの組合せはどれか。
 細胞からDNAを抽出し、その塩基組成(モル比)を調ぺたところ、guanineとcytosineの和が40%であった。
 このDNAはadenineが[ a ]%、thymineが[ b ]%と推定され、またuracilは[ c ]%であると推定される。
30
30
0
30
0
30
20
20
0
20
0
20
60
0
0
0
60
0
 

問43.ビタミンに関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a.ビタミンEは抗酸化作用を持ち、生体膜脂質の変性を防止する。
b.ビタミンAはカルシウムイオンの腸管吸収に関与する。×
解:ビタミンDはカルシウムイオンの腸管吸収に関与する。
c.ビタミンB2はフラビン酵素の補酵素で、酸化還元反応に関与する。
d.ビオチンは炭酸の固定に関与する酵素の補酵素となる。
e.ビタミンB12はメチル基転移反応に関与する。


問44.Michaelis-Menten式が成立する酵素反応について実験したところ、下図の直線ウに示す結果が得られた。次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
なおグラフの縦軸は、反応速度(V)の逆数であり、横軸は基質濃度(S)の逆数である。
a.結果が直線ウから直線アに変化した場合、酵素反応液に競合阻害剤が添加された可能性が高い。一方、非競合阻害剤が添加されると、直線イに変化する可能性が高い。×
解:結果が直線ウから直線に変化した場合、酵素反応液に競合阻害剤が添加された可能性が高い。一方、非競合阻害剤が添加されると、直線に変化する可能性が高い。
b.最大反応速度Vmaxは、1.0μmol・min-1である。
c.同じ酵素濃度で基質濃度を2倍にした場合、常に反応速度は4倍になる。×
解:同じ酵素濃度で基質濃度を2倍にした場合、常に反応速度は4倍になるとはかぎらない


問45.cholesterolに関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a.cholesterolは、acetyl-CoAとacetoacetyl-CoAから、mevalonic acidを経て生合成される。
b.cholecalciferolは、cholesterolに紫外線を照射すると生成する。×
解:cholecalciferolは、7-dehydrocholesterolに紫外線を照射すると生成する。
c.血漿中でcholesterolの大半は、脂肪酸のエステルとして存在する。
d.cholic acidは、cholesterolから生合成され、glycineと結合してglycocholic acidになる。


問46.細菌及びウイルスなどに関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a.細菌は、プラスミド(plasmid)中に薬剤耐性遣伝子をもつことがある。
b.エンドトキシン(endotoxin)は、グラム陰性菌の菌体外毒素である。×
解:エンドトキシン(endotoxin)は、グラム陰性菌の菌体毒素である。
c.レトロウイルス(retrovirus)は1本鎖RNAと逆転写酵素をもつウイルスである。
d.プリオン(prion)は、核酸を含まないたん白質で、感染性がある。


問47.中枢神経系に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a.大脳新皮質は、自律神経系の高位中枢である。×
解:視床下部は、自律神経系の高位中枢である。
b.海馬は、記憶の形成に重要な役割を果たしている。
c.筋紡錘は、骨格筋の伸展を中枢に伝える感覚器である。
d.脊髄は、中心部の白質と周辺部の灰白質からなる。×
解:脊髄は、中心部の灰白質と周辺部の白質からなる。
e.延髄は、呼吸、循環の中枢として働き、生命維持に重要である。


問48.活動電位に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a.運動神経の活動電位の立ち上がり相は、カルシウムイオンの細胞内への流入による。×
解:運動神経の活動電位の立ち上がり相は、ナトリウムイオンの細胞内への流入による。
b.心室筋の活動電位のプラトー相は、カルシウムイオンの細胞内への流入による。
c.洞(房)結節のペースメーカー細胞は、自発的脱分極により活動電位を発生する。
d.平滑筋の活動電位は、カルシウムイオンの細胞内への流入により発生する。
e.活動電位の発生がないと、平滑筋は収縮しない。×
解:活動電位の発生がなくても、平滑筋は収縮することがある


問49.循環器系の形態と機能に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a.僧帽弁は、左心房と左心室の間の弁であり、三尖弁は右心房と右心室の間の弁である。
b.ウイリス動脈輪とは、内頚動脈及び椎骨動脈由来の動脈を脳底で交通する血管系である。
c.赤血球は、毛細血管から血管外に出なければ、組織に酸素を受け渡すことができない。×
解:赤血球は、分圧の差に基づいて、組織に酸素を受け渡している
d.多くの動脈には、数cm間隔で血液の逆流を防ぐ弁があるが、静脈には弁はない。×
解:多くの静脈には、数cm間隔で血液の逆流を防ぐ弁があるが、動脈には弁はない。


問50.骨格筋に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a.アクチン(actin)は、重合してアクチン線維を形成する。
b.ミオシン(myosin)は、その頭部にATPase活性をもつ。
c.筋原線維の滑りこみ(sliding)のエネルギーは、ATPから供給される。
d.筋収縮の引き金となるカルシウムイオンは、細胞外から流入する。×
解:筋収縮の引き金となるカルシウムイオンは、筋小胞体内のもので補われる
e.アクチンとミオシンの相互作用は、カルモジュリン(calmodulin)にカルシウムイオンが結合することで開始される。×
解:アクチンとミオシンの相互作用は、カルモジュリン(calmodulin)(平滑筋の収縮に関与)にカルシウムイオンが結合することで開始される。


問51.骨に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a.骨のカルシウムは、一度沈着すると一生の間遊離しない。×
解:骨のカルシウムは、一度沈着しても遊離する
b.骨には血管はほとんど分布していない。×
解:骨において血管は、骨膜や緻密質に分布している
c.骨芽細胞は、コラーゲンなどを分泌して骨形成を行い、骨細胞になる。
d.破骨細胞は、骨吸収に密接に関係している。
e.赤色骨髄は血球産生の場である。


問52.細胞小器官及び酵素に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a.ゴルジ体(Golgi body)は、分泌顆粒の形成には関与しない。×
解:ゴルジ体(Golgi body)は、分泌顆粒の形成には関与する
b.プロテインキナーゼC(Cキナーゼ)によるリン酸化には、cyclic AMPが必要である。×
解:プロテインキナーゼC(Cキナーゼ)によるリン酸化にはジアシルグリセロールとホスファチジルセリンが関与している。
c.紡錘体の形成は、コルヒチンによって阻止される。
d.ミトコンドリア(mitochondria)は、電子伝達系と無関係である。×
解:ミトコンドリア(mitochondria)は、電子伝達系と関係がある
e.多くの細胞で小胞体は、細胞質ヘカルシウムイオンを放出する。


問53.真核細胞の遺伝惰報に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a.プロモーター(promoter)とは、転写開始反応に関与するDNAの特定領域をいう。
b.転写因子は、RNA合成を触媒する。×
解:RNAポリメラーゼは、RNA合成を触媒する。
c.大部分のメッセンジャーRNA(mRNA)は3' 未端にポリ(A)配列をもつ。
d.mRNA前駆体は、スプライシング(splicing)によりイントロン(intron)部分が除去され、エキソン(exon)だけからなるRNAとなる。
e.制限酵素はDNAを切断するエンドヌクレアーゼである。


問54.バイオテクノロジーに関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a.マイクロインジェクション法により、DNAを動物細胞に直接導入できる。
b.受精卵に外来性の特定の遺伝子を導入することによって、トランスジェニック動物を作ることができる。
c.標的遺伝子組換え法により、標的遣伝子を破壊したジーンノックアウトマウスを作ることができる。
d.dideoxyribonucleotideを用いて、DNAの塩基配列を決走する方法がある。


問55.ヒトの遺伝に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a.正常ヒト二倍体細胞の染色体数は46本であり、その中の44本は常染色体とよばれる。
b.ヒト精子には、X 染色体を含むもの及びY 染色体を含むものの2種類があり、X 染色体を含む精子が受精して誕生する個体は男子である。×
解:ヒト精子には、X 染色体を含むもの及びY 染色体を含むものの2種類があり、X 染色体を含む精子が受精して誕生する個体は女子である。
c.血友病Aは、伴性劣性遺伝様式を示す遺伝病であり、患者には女子が多い。×
解:血友病Aは、伴性劣性遺伝様式を示す遺伝病であり、患者には男子が多い。
d.精子や卵子が生成するときには、減数分裂が起こる。


問56.insulinに関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a.glucagonは、insulinの分泌を抑制する。×
解:glucagonは、insulinの分泌に影響を与えない
b.insulinは、糖質輸送に関与するが、脂質代謝には関与しない。×
解:insulinは、糖質輸送、脂質代謝に関与している
c.insulinは、2本のポリペプチドがジスルフィド結合により架橋されている構造を持つ。
d.insulinの受容体は、細胞膜7回貫通のGたん白質共役型である。×
解:insulinの受容体は、細胞膜1回貫通のチロシンキナーゼ結合型である。
e.自律神経系は、insulin分泌に影響を与えない。×
解:自律神経系は、insulin分泌に影響を与える


問57.次の表は、agonist、受容体、共役するGたん白質、器官及び生理反応の組合せの例である。
adenylate cyclaseを活性化して細胞内cyclic AMPの増加を引き起こすものの組合せはどれか。

agonist 受容体 Gたん白質 器官 生理反応
a. norepinephrine β1受容体 Gs 心臓 心拍数増大
b. epinephrine α2受容体 Gi 交感神経節後線維 伝達物質放出抑制 ×
解: clonidine α2受容体 Gi 交感神経節後線維 伝達物質放出抑制
c. histamine H1受容体 Gq 気管支 収縮
解: histamine H1受容体 Gq 気管支 収縮 (PIレスポンス活性化)
d. histamine H2受容体 Gs 胃酸分泌
e. acetylcholine ムスカリン受容体 Gq 小腸 収縮
解: acetylcholine ムスカリン受容体 Gq 小腸 収縮(PIレスポンス活性化)


問58.免疫グロブリンに関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a.免疫グロブリンは、アミノ酸配列が異なる可変部と、ほぼ一定した配列をもつ定常部からなる。
b.抗原は免疫グロブリンの定常部に結合する。×
解:抗原は免疫グロブリンの可変部に結合する。
c.正常時において一番高い血中濃度を示す免疫グロブリンは、IgGである。
d.単クローン性(monoclonal) 抗体は、多クローン性(polyclonal) 抗体と異なり、単一の構造を持つ抗体分子である。



問59.生体防御にかかわる細胞に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a.白血球表面には、主要組織適合遺伝子複合体(MHC)の産物が存在し、ヒトではHLA抗原と呼ばれる。
b.好中球は顆粒球の一種であり、抗体を産生し殺菌作用を示す。×
解:好中球は顆粒球の一種であり、貪食することにより殺菌作用を示す。
c.マクロファージは、細菌やウイルスを貧食したり、抗原提示細胞として働いたりする。
d.肝臓中のKupffer細胞は、異物に対して貪食作用を示す。



問60.cytokineに関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a.interferonにはα型、β型及びγ型があり、いずれも抗ウイルス活性を示す。
b.interleukin (IL-2)は、T細胞から産生され、T細胞の分化、増殖に関与する。
c.B細胞は、炎症に関わるIL-1、IL-8、TNF(腫瘍壊死因子)などのcytokineを産生する。×
解:マクロファージは、炎症に関わるIL-1、IL-8、TNF(腫瘍壊死因子)などのcytokineを産生する。
d.GM-CSF(granulocyte/macrophage-colony stimulating factor)は、顆粒球やマクロファージの分化、増殖には関与しない。×
解:GM-CSF(granulocyte/macrophage-colony stimulating factor)は、顆粒球やマクロファージの分化、増殖を促進する